記憶
テレビで見たのだろう。
震災のあとの町。
大きな被害を受けた町。
そして避難所の様子が
継ぎ接ぎで映し出されてから
おじいちゃんが映った。
野球帽みたいなのをかぶったおじいちゃん。
現役で働いていそうな雰囲気のおじいちゃん、
ふつうのおじいちゃんが
カメラに向かって話し始めるのを
テレビの前でわたしも
聞かせてもらった。
『ご近所さんとかよぉ、顔馴染みの友達とかに会ってもよぉ、
話っつったらよぉ、
天気のことぐれぇしかねぇんだてば。
それより他のことをしゃべっとよ?
だれかんこと 傷つけてしまわねぇかって、思い出させて悲しませてしまうんでねぇかって、思うからよぉ。
天気の話しかできねぇんだ』
おじいちゃんの
その不似合いなくらいに繊細な(小さくて大事な)やさしさが
記憶に
焼き付いている。
悲しみは
続いている。
記憶を連れていくことを続けよう。
ご存知のとおり
ボン・ジョビのすけは小さい。
ボスの血をひく黒白柄の猫なのだが
ボスよりさらに小柄だ。
臆病でドジっぽい
いや愛嬌がある。
最近
気になっている。
なんといっても
ボスの血筋なのだ。
ボスは毎日
部屋で食べていくが
ジョビのすけも
たまに来るので
来たときは
軒下でこっそりごはんをあげている。
そんなふうです。
