3-2-⑬ 曽谷式

  • 曲線的磨消縄文は加曽利B3式から受け継がれる。
  • 口の部分に粘土を貼り付けたのよぷな装飾が現れる。
  • また、大きな波状口縁に沿って文様を施した土器が出現。
 
  • 曽谷式深鉢(貝の花遺跡) 胴部に弧線連接を上下半単位ずらしたモチーフを纏う。口縁部に粘土粒の瘤が貼り付く。

 

 

  • 曽谷式(≒高井東式)深鉢(貝の花遺跡) 4単位の波状口縁の波頂に突起が取り付けられている。また、波底口唇外面に耳たぶ状把手が付けられている。 口唇に沿って紐線が2列貼付され太目の刻み目が付けられる。

 

 

  • 貝の花VI群土器(曽谷式); 曽谷式の特徴であるヒサゴ形の器形。口縁部に瘤。胴部に弧線連接を上下半単位ずらしたモチーフを纏う。

 

 

 

3-2-⑭ 安行1式(後期安行)

  • 口唇部外面の瘤が曽谷式から受け継がれる。
  • 口縁に沿った帯状の盛り上がりに縄文が施文され、それが3~4段ほど重なる(隆起帯縄文)。

 

 

 

3-2-⑮ 安行2式(後期安行)

  • 瘤に刻み目が加えられる。横長の瘤に2つの窪みを付けられる(ブタ鼻状瘤)。
  • 波状口縁の先端が膨らみ、刻み目が付けられる。その下に三角形の区画が作られることも特徴の一つ。
 
 
  • 安行2式(貝の花遺跡) 56-1(左)波頂外面に刻み目付き瘤が貼付。波頂下に三角形区画、その底辺中央にブタ鼻状瘤が貼付されている。 56-2(右)中央にブタ鼻状瘤。

 

 

 

 

3-2-⑯ 安行3a式(晩期安行)

  • 三又文が、同じ時期に東北地方で作られていた大洞B式土器の文様を取り込まれた。

 

 

  • 安行3a式壺(貝の花遺跡) 三又文(入組文とその中心の刺突点を合わせると玉抱三又文)。

 

 

 

 

 

3-2-⑰ 安行3b式(晩期安行)/ 姥山式

  • 安行3b式は、さいたま市辺りを中心に分布。千葉・茨城県域には当該期に姥山式土器(姥山貝塚@横芝光町)が分布する。
  • 姥山式は、ひし形区画と、丸の中心に点を打った円圏文が特徴(研究の途上)。
 
 
  • ひし形区画(鈴木公雄による姥山Ⅱ式分類/ 田邊えり「安行 3b 式期における東西関東の地域間関係 ―姥山式土器の検討を中心に―」

 

 

 

 

3-2-⑱ 安行3c式(晩期安行)

  • 縄文をほとんど付けなくなり、文様の中を米粒のような点で埋めるようになる。
  • 胴部に逆U字状の弧線文。
  • 貝の花遺跡では安行3c式と共伴して大洞C1式土器も出土。
 
  • 安行3c式皿形土器(貝の花遺跡) 点描が施される。

 

 

  • 安行3c式(貝の花遺跡) 沈線による逆U字状弧線文。
 
 
  • 大洞C1式皿形土器(貝の花遺跡) 安行3c式と共伴。

 

 

 

3-2-⑲ 安行3d式(晩期安行)

  • 安行3c式で文様を埋めていた米粒のような点がなくなり、線のみの文様となる。
  • あいまいになった三角形やひし形の区画の中では三又文が複雑に絡み合う。

 

 

  • 安行3d式鉢(貝の花遺跡) 太い沈線のみで三又文、入組文が複雑に施文。

 

 

  • 安行3d式台付壺形土器(貝の花遺跡) 太い沈線のみで三又文、入組文が複雑に施文。