日本に長く住めば住む程、日本語の語彙力がついてきます。
特に、仕事をしていれば、書類に目を通すことが多いので、漢字の知識もついてきます。まぁ、上手く書けるかどうかは別として。(苦笑)
漢字の知識が増していくと、時々、「これって、都合の良い言葉のすり替えでしょ?」と言いたくなるような、おかしな表現があることに気が付くようになりました。
まず、最近の例では「副反応」。
「副反応」という言葉は、コロナワクチンの接種が始まった頃から使われ出した表現と私は認識しています。

コロナ以前では、医薬品の投与で好ましくない二次的な症状が出ることを、総合的に「副作用」と言っていませんでしたか?
「病院介護ナビmilmil」というサイトでは、「副反応」と「副作用」の違いは、以下のように説明されています。
副反応(ふくはんのう)とは、ワクチン接種に伴う免疫付与以外の反応のことである。ワクチンの場合、投与に伴う免疫付与以外の反応も外来物質の化学的作用ではなく免疫学的機序によって起こるものが多い。「アナフィラキシー」も副反応の1つです。
副作用(ふくさよう)とは、医薬品あるいは医療的処置の、副次的あるいは望ましくない作用のこと。 医薬品の使用、あるいは医療的処置に伴って生じた、治療者や患者が望んでいない作用全般のことである。(「副作用」と対比して、治療目的にかなった作用、治療者が本来望んでいた作用のほうは「主作用」や「薬効」と呼ぶ。)。
なるほど。
でも、「本来的な効果とは違う影響が出る」という意味においては、「副反応」と「副作用」の意味は同じですね。
但し、ワクチンを使用した場合のみ副反応と言って、「副作用」と使い分けているってことのようです。

ちなみに、英語ではどちらも「side effect」です。
どうして、コロナを境に、ハッキリと使い分けられるようになったのでしょうか?
最近の一番おかしな例としては「還付金」。
私も会社からお給料をもらっていますから、還付金が何かくらいは理解しています。
「goo辞書」によると、還付金は以下のように定義しています。
「納付・徴収された税金に納め過ぎ・減免などがあった場合に、納税者に返される金銭 」
毎年、還付金はうれしいですね!
でも、一部の政治家がパーティー券での収入を申告すること無く、自分の懐に入れていた問題がありました。
世間一般的には「裏金」と呼ばれましたが、当人たちとその政党は、納税をしていないその「裏金」を「還付金」と呼んでいました。

全く意味不明。。。
これって、単なる言葉のすり替えでしょ!
「還付金」も酷いですが、それ以上に、悪質な言葉のすり替えを偶然知ることになりました。
それは、「転進」と「玉砕(ぎょくさい)」。
これって、日米戦争についてのドキュメンタリーを、夏に見たんです。
まず、「転進」。
これって、本来の意味としては、「軍隊が、戦場または守備地から他へ移動すること」。
でも、日米戦争の頃の日本軍(大本営)は、戦況が不利な状況下で「撤退」「退却」「敗走」と発表することを嫌って、あたかも負けていないように取り繕う「転進」という表現を使っていたそうです。
それと、「玉砕」。
「玉が美しく砕けるように、名誉や忠義を重んじて、潔く死ぬこと。」が定義。
でも、これって、戦争においては、ハッキリ言って「全滅」「全員戦死」という意味でしょ。
こういうご都合主義な言葉のすり替えのを「美辞麗句(びじれいく)」って言うんじゃないのかしら? うわべだけ飾っていて、内容に真実味のない言葉。。。

それと、言葉のすり替えではないのですが、日米戦争の頃の不可解な言葉がもう一つ。
「黙殺(もくさつ)」
漢字だけでは、何とも意味が浮かんできません。
「コトバンク」によると、黙殺は以下のように定義されています。
「無視して取り合わないこと」
当時の翻訳者が「ignore(無視する)」や「reject(拒絶する)」と英訳しても、翻訳者を責められないんじゃないかと、思ってしまいます。
連合国側の最後通告に対し、日本人でもその意味をハッキリ理解できない言葉を使って取り繕おうとした大本営。 当時の日本国民と戦場の兵士たちが、可哀想でなりません。。。

言葉のすげ替えや美辞麗句も度が過ぎると、不要な混乱、信用の失墜、そして、極端な例としては、国家の存亡を危うくさせます。
普段の人間関係でも、言葉の選択って大切ですよね!