1977年製作
監督
パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ
タヴィアーニ兄弟監督作品になります
タヴィアーニ兄弟の作品は以前でもこのブログで紹介させていただいていますが
この作品もとても心に残る作品でした
タイトルの『パードレ・パドローネ』は
日本語に直すと『父・主人(支配者)』という感じでしょうか…
厳格な父親との関りを描いた作品です
ネタバレあります
何の知識もなく見たい方は映画を観たあとに読んでいただけると幸いです
この作品は、イタリアのサルディーニャ島で生まれ育った
カヴィーノ・レッダという言語学者の自伝を映画化したものです
厳しい父によって、小学校を数週間でやめさされて、
たった一人で羊飼いの仕事をさせられて、
20歳になるまで一切の教育を受ける機会を奪われた文盲カヴィーノの物語です
父が教室に乗り込んできて(ほんと、乗り込んでといった感じです)
まだ小さなカヴィーノ(6才)を連れていくシーンが印象的でした
学校をやめさせに来た父にビビって、ちびってしまうカヴィーノ
からかう同級生たちまで怒鳴りつける父
そして「今日はカヴィーノだが、いつお前たちもこうなるかわからんぞ!」といった感じの捨て台詞を言って去る
何人かの子供は自分もそうなるかも…と心配しだします
貧しい島の厳しい暮らしぶりが伝わっくる場面でした
カヴィーノは父に羊飼いの仕事を教わり
(暴力は普通に行われています)
そして一人で羊の世話をすることになります
たった一人で生活するカヴィーノには自然の音や動物たちが先生になります
音楽もとても興味深くに扱われています
カヴィーノが初めて(もしくは久々に)楽器(アコーディオン)の音を聴いて
その楽器の虜になるなるシーンは感動的でした
そして、大人になってから学ぶことを選択するところなど
けっこう見ごたえのある映画だと思います
ちなみにこの作品はカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しました
父役のオメロ・アントヌッティはタヴィアーニ兄弟の映画では他の作品にもよく出演されているお馴染みさんです