新潟県・市職員によるパワハラによって亡くなられた方のニュースが2件ありました。

1件はテクノスクールという職業能力訓練校の指導員による

生徒へのパワハラ、アカハラによって息子様、弟様を亡くされたご遺族が

要望した第三者委員会がやっと開かれる見通しが立ったというニュースです。

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20190920496181.html

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県、第三者委員会を10月開催へ
新潟テクノスクール元生徒自殺問題
 新潟県立新潟テクノスクール元生徒の会社員男性が在校時に担任指導員から暴言や暴行を受けたと訴えて自殺した問題で、新潟県は19日、県庁で遺族と面会し、外部有識者でつくる第三者委員会の初会合を10月上旬に開く方向で最終調整していると明らかにした。第三者委の設置は2月に示しており、「立ち上げが遅れ、申し訳ない」と遺族に謝罪した。

 この日は、男性の母親(60)と姉(31)が、第三者委のスタートが遅すぎるとして早期開催を求める花角英世知事宛ての要望書を提出。それを受け、第三者委の事務局を務める県産業政策課の金井健一課長が10月上旬に始める見通しを表明した。

 遅れた理由については、委員を推薦する外部団体への説明や、委員の日程調整などが難航したと釈明。遺族に理由を詳しく説明してこなかったことも陳謝した。姉は「命に関する問題なのに、後回しにしているとしか思えない」と県の対応を批判した。

 面会後、母親は初会合について「やっとか、という気持ち。真実を明らかにしてほしい」と話した。

 男性は2010~11年度にテクノスクールに在籍。そのときに指導員から暴言などを受けたと訴えて、17年に25歳で自殺した。

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以前、ご遺族の講演があり、その際に第三者委員会での調査を希望しているということが

伝えられていました。私がそのことをブログに書いたのが3月…。

半年も県は詳細の説明なく、遺族をないがしろにし続けてきた…。

 

もう1件のニュースが、新潟市の水道局で男性職員がパワハラを受け、

亡くなられた事件…。

 

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20190920496348.html

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遺族が和解協議打ち切り 会見で憤る
新潟市水道局パワハラ自殺民事訴訟


 新潟市水道局の男性職員=当時(38)=が2007年に自殺したのはパワハラが原因だとして、遺族が市に対して謝罪と賠償を求めている訴訟で、男性の遺族が20日、県庁で会見し和解協議を打ち切ったことを明らかにした。遺族は「市がパワハラを認めていない中での和解案は受け入れられない」と話した。

 遺族らによると、地方公務員災害補償基金新潟市支部審査会が11年、男性職員はパワハラによる自殺だったとして「公務災害」との裁決を下した。一方、市水道局は管理職による職員への聞き取り調査でパワハラを確認できなかったとして、謝罪などに応じなかった。遺族は15年、新潟地裁に提訴し、昨年から和解協議が行われていた。

 遺族は会見で、パワハラの認定や再発防止に向けた要望を文書で市側に伝えたが、何の対応も示されなかったとし「管理職による圧力が掛かった内部調査を根拠にパワハラの事実を否定したままだ」と憤った。今後は新たに選任した弁護団で裁判を継続し、水道局の内部調査の問題点を争う。

 市水道局総務課は「会見内容を承知していないので、コメントは控える」としている。

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こちらは「地方公務員災害補償基金新潟市支部審査会が2011年、

男性職員はパワハラによる自殺だったとして「公務災害」との裁決を下した。」

にも拘わらず、「一方、市水道局は管理職による職員への聞き取り調査で

パワハラを確認できなかったとして、謝罪などに応じなかった。」

審査会という外部の機関が調査してパワハラを認めているのに、

内部調査でパワハラを否定…。

そのため、「遺族は2015年、新潟地裁に提訴し、昨年から和解協議が行われていた。」

そうですが、市がパワハラと認めないまま今に至り…。

非を認めずに、被害者遺族に和解交渉をする…。

納得できるわけがないですよね…。

25歳という、前途洋々な若者と、

38歳という、働き盛りの男性の心を壊し、命を奪った。

その報いを加害者・犯罪者が何も受けなくてよいわけがない。

それはパワハラ加害者予備軍に対して、パワハラをしても罰せられないと

許可をしているようなものだ。

…パワハラがなくなるわけがない。

”お上”が許しているのだから。

 

公務員は「全体の奉仕者」である。

「全体の奉仕者」とはある特定の国民に奉仕するのではなく、

”公共の利益増進”に尽くさなければならないという意味。

”公共の利益”にはいじめやパワハラなど全体の害になるような行為を

無くしていく、減らしていく、少なくとも公務員がそのような行為をしてはならないという

意味を含んでいるのではないかと私は思う。

「全体の奉仕者だから個人の悩みには答えません、対応しません!」では絶対にない!

断じてない!!

個人の問題の多くは全体の問題を含んでいるのだから。

「特定の国民に奉仕する」という言葉はわいろなどをもらって、融通するな!という意味。

それくらい当の本人たちはわかっていないのだろうか?

 

県内で同じ日に報じられた2件のパワハラ問題。

全体の奉仕者として県や市の責任者たちにはしっかりと被害者の叫びに

耳を傾け、誠意ある対応を行っていただきたい。しなくてはならない。