映画「おくりびと」と言えば分かる人も多いのではないだろうか。
納棺師とは、その名の通り、棺に納める仕事である。
なきがらを棺に入れて、最期を看取る仕事だ。
その中で、復元納棺師と言われる人たちがいる。
できるだけ、なきがらを生前に近い状態に戻してあげるプロだ。
人は、死ぬと、硬直が始まる。血が出続けることもあれば、水分を放出できなくなり、皮膚に水が溜まる場合、口や目が乾燥により次第に開いてくることもある。
その様子は、家族が目を当てられないほどの事もあるという。
その状況を、マッサージや止血、死化粧によって「復元」してく仕事である。
死の現場にずっと携わっているからこそ分かる苦しみや痛み、家族に寄り添い、故人に寄り添う、この仕事の素晴らしさが鮮明に映し出されている。
人にはそれぞれ、どんなに短くても、どんなに辛くても生きてきたストーリーがある。
そして、そこには家族や恋人、友人の存在がある。
残された人が死を引きずることなく前を向くために、故人の死と正面から向き合うために、最大限のサポートをする、納棺師に心をうたれる。
本書では、筆者の経験と、東日本大震災でのボランティアの様子を追いながら、これまでに出会ったなきがらとその家族を中心に温かく描いてある。
涙なしでは、読み進めることができない、自分の家族のことを思わずにはいられない、良書である。
死の前に笑って過ごすことができていた人は、笑い皺が残るという。
そんな、生き方をしたい。
そう強く思った。









