尖閣を日米同盟の範囲と明言させたこと。TPPを決着させず、この分野でアメリカに手土産を差し出さなかったこと。そして韓国で慰安婦問題でアメリカを判定者に加えて正しい事実の解明を明言させたこと。この3つはいずれも今までの首相には出来なかったことだ。相手の言い分だけを受け入れ、手土産を与えるだけ、という、これまでの外交とは完全に異なっている。
尖閣では中国を牽制し、TPPでは安易に譲歩せず、慰安婦問題では証拠なしに国家予算でロビー活動を行って一方的に主張を繰り返す韓国のやり方に対して、証拠を提示して国際的な注目の元で第三者が正しさを検証する土俵に相手を引きずり出した。
譲ったように見せて、実は利を引き出すというクレバーなやり方を、近年、政府や外交で見たことがなかった。
内政では言いたいことが山ほどあるが、外交では申し分ない働きをしているようだ。外交で力を発揮するために内政で足を引っ張られないよう既得権と握ったとすれば、より加点しにくい外交でまず勝負し実績を作っている首相をとりあえずは高く評価したい。