ALS(筋萎縮性側索硬化症)について
ASO薬トフェルセンがいい成績をおさめましたね(下記ブログ、文献1)
このお薬は米国・欧州で認可審査中ですが、またビックニュースを期待しています
さてこのトフェルセンですが、その意味あいについて今後の展開をふくめ開発者のミラー教授が話してくれました(原文は→こちら)。
よろしければお付き合いください
ASO(アンチセンスオリゴ核酸)(→こちら)
話しをてくれたのは米国セントルイスの
ワシントン大学・ミラー教授です。
Timothy M. Miller教授
おなじみですね
トフェルセン開発はノーベル賞級でしょうか
詳しくは
以下は引用です。
ALSで神経変性をおさえる、世界ではじめての治療薬です。(文献1)
大きな進歩で今後の治療につながります。
例えばALSではC9型、FUS型、TDP-43型、そしてアルツハイマー型認知症などのタウオパシー、ハンチントン病などです。(→こちら)
そしてトフェルセンが教えてくれたことがいくつかあります。
ひとつはニューロフィラメントです。
トフェルセン使用後、まずニューロフィラメント値が低下し、そして進行が抑えられました。
ニューロフィラメントと神経変性の関連、つまり適切な薬を使えばニューロフィラメントが動くということを学んだのです。(→こちら)
これはつぎの治療薬開発に役立ちます。
もうひとつは時間です。
効果が判明するのは28週では難しく、52週みるほうがいいということです。
トフェルセンもそうですが、ポリオといった疾患でもそうだと思います。治るには時間がかかります。(→こちら)
長期間の観察が必要なのです。
そしてまた回復プロセスについて研究しています。ワシントン大学では新しいALSのリハビリ方法を考え始めています。。
これらはすべて新しいアイデアです。
感想
さすが長い間、研究を重ねて治療薬を作ったミラー教授。
先を見据えているのですね。
回復までの道筋も期待しております。
ニューロフィラメントも重要ですね。保険適応が望まれるところだと思います。
時間についても、おっしゃる通りかもしれません。
いろいろ材料がそろってきましたね。
ともかく粘って粘っていきましょう
未来予想図も実現しそう
(まもなく2023年版だします)
ここまでご覧いただきありがとうございました。
文献
1.Timothy M. Miller, Merit E. Cudkowicz, Angela Genge 他、Trial of Antisense Oligonucleotide Tofersen for SOD1 ALS September 22, 2022 N Engl J Med 2022; 387:1099-1110 DOI: 10.1056/NEJMoa2204705