ALS(筋萎縮性側索硬化症)の命を守る
つまり生命予後を改善する。。という点について
その効果が証明された方法は少数なのですが、そのひとつがNIV(非侵襲的人工換気)ですね。
今回はこれについてのアドリアーノ教授の見解をご紹介します。
よろしければご覧ください。
イタリア・トリノ大学のアドリアーノ教授はALSの世界のリーダーですね。
トリノ大学
Adriano Chio (アドリアーノ教授)
論説はJNNPの最新号(文献1)。JNNPは世界トップの神経学雑誌ですね。
以下、長文です
以下はアドリアーノ教授の論説です(文献1)
過去20年間で、NIV(非侵襲的人工換気)による呼吸サポートはALSの標準治療になりました。
NIV(非侵襲的人工換気、いわゆるバイパップ)
NIVは有効な治療法ですが、実際には導入されない場合も多く、神経内科医の態度もかなり不均一です。
NIVの使用について最も尊重されるべきなのは、患者さんの意向なのですが。。。(必ずしもそうでもない?)
私たちの研究では(文献1)若い年齢とALSクリニックへの通院は、患者のNIV使用決定に独立して関連する結果となりました。
(注:ALSクリニックは多職種連携の診療体制で呼吸、栄養、リハビリなどがチームとして連携していくもので、多くは専門看護師がかなめとなります。)
また、NIVの使用は単独でも、NIVのあと気管切開に至っても、どちらも有効性が高く、
実際、NIVの開始時期の肺活量が高ければ高いほど(早期に開始すればするほど)、その後の経過がよいことがわかりました。これは球麻痺型でも四肢型でも同様です。
今回の大規模な臨床研究は、実際の患者さんでNIVの有効性を明らかにした貴重な研究だと思います。
感想
ALSの治療。
NIVはいまある治療のなかで、もっとも有効性が高いもののひとつですね(AMXもありますが)。
また考えかたが大きく変わってきた治療だと思います
また、そのほかストレッチやリハビリ、無理のない運動、痰や唾液の処理、ストレスのコントロールなどもありますね。
いろいろなことがありますが、ひとつひとつはなんとかなりますね
まずは粘っていきたいものですね
ここまでご覧いただきありがとうございました
文献
1 Adriano Chio , Cristina Moglia, Antonio Canosa et al, Respiratory support in a population-based ALS cohort: demographic, timing and survival determinants J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2022 Jul 11;jnnp-2021-327968. doi: 10.1136/jnnp-2021-327968.
参考ブログ