それは平原綾香さんのコンサートが終わった後のことです。
文化ホールから韮崎駅まではタクシーで帰りました。歩いてではかなり遠かったので。
ところが帰る車が混雑していて、思っていた以上の時間がかかってしまいました。
出来ればどうしてもこの電車に…間に合いたいという思いがあったのですね。
それは綾香さんがコンサートの中で韮崎駅での話をされて。
駅前にありますアメリカヤさんが気になられたようで。
後でブログを見てそのことを知りました。
ということは東京から車ではなくて電車で ?
ということは電車で帰られるということ ?
ありがたいことにちょうどいい新宿行きの特急電車は 1本しかありません。
その電車の時間には道路が混んでいて間に合いそうもなくて。
半ばあきらめていましたが、発車 3分前にタクシーがi韮崎駅に到着。
急いで切符を買って改札に…と振り返ったその瞬間。
数人の男性がまとまって入って来ました。
よく見るとその中に小柄な女性が一人。
マスクをしてキャップをかぶって、普通の服装で…。
その時、すぐにわかりました。綾香さんです。
改札を入ったところで“綾香さん”と声をかけました。
一瞬、以前より私ふとっていますし。雰囲気が違うのでわからなかった ?
“ご無沙汰してます。風です”と言ったらわかってくださったようで。
一緒に階段をあがりながら、今日、山梨に来てくれて嬉しかったこと。
この日をずっと楽しみに待っていたこと。
今は山梨に移住して甲府に住んでいることなど話しました。
なにしろもう電車が来てしまいます。急いで伝えたいことを…。
そして綾香さんのパパとママによろしくお伝えくださいと。
それは私が綾香さんがデビューしてすぐにファンになり。
パパさんが平原まことさん。日本でも有名なサックス奏者であることがわかり。
千春さんのアルバムにもスタジオミュージャンとして何曲か参加していたのです。
そのこともありましてまことさんのライブに出かけたり。
ママさんともお会いする機会が何度もあって…。
それはそれはとてもステキなご家族なのです。
今は山梨なので、今までのように東京のコンサート、その他、行けないこと。
今回のスケートも見に行けないけれど。
でも、いつもFacebookやTwitter、ブログなどで活躍されているのを見てますと。
そんな今は熱心に応援できない私なのに。
“これからも応援してください”と優しい言葉をかけてくださいました。
いろいろな応援の仕方があると思います。
今できることでの応援をこれからもさせていただけたら…。
ありがたいことに電車が遅れているとのアナウンスがありました。
4分ほど韮崎に着くのが遅れるそうです。ラッキー !
バックのメンバーたちとは席がちがってマネージャーさんと二人だけ。
すると綾香さんがホームで突然しゃがんで写真を撮りはじめました。
何をとっているのかしらと見てみると。
明かりのついたアメリカヤさんでした。
そんなに気になったのでしょうか。
その時、ホームで撮ったのがこちらの写真。
↓
2019-07-20
#10 YAMANASHI Nirasaki
https://ameblo.jp/hirahara-ayaka/entry-12496184413.html
帰ってから夜遅くアップされたのでしょう。
この写真を見て思いました。
あの場所からでなくもう少し左からだったよく撮れたのに。
そして特急あずさがホームに入って来ました。
座る席がホーム側だったので目の前です。
電車は停車時間が短くて、すぐに走り出しました。
“気をつけて”と言って私は手を振りました。
それはまるで東京に帰る知り合いのお嬢さんを。
ホームで見送っているオバさん…そんな感じだったでしょうか。
まさかそのお嬢さんがあの平原綾香さんだなんて気づく人もいません。
ホームにはほんの数人しか人がいませんでしたし…。
特急あずさが走って行くのを見ながら私は感動に包まれていました。
まるで夢を見ているかのようでした。
私がもしもあの時あきらめて、自動販売機で何か買っていたら。
そのまま帰ったのを知らずにいたかもしれません。
駅でのんびりの飲みながら次の電車を待っていたことでしょう。
それをしないですぐに切符を買ってホームに行こうとしたから。
あの時、一瞬ふり向いたおかげでお会いすることも話すこともできました。
母の介護や看病で何年もお会いできず。
熱心だった応援も、そのままできずに山梨に来てしまいました。
だから何年かぶりにお会いできてとっても嬉しかったのです。
私の心の中のモヤモヤがこれでスッキリしました。
もしかしたらホームにファンの人が何人もかけつけているかもしれない。
そう思ったけれど結局は私一人でした。
このことを誰に感謝したらいいのでしょう。
あの夜お会いした綾香さんは、つい少し前までステージで歌っていた…。
ライトに照らされて熱唱していた歌手の平原綾香さんではなく。
出会った頃のごく普通のお嬢さん。優しい綾香ちゃんそのままでした。