(取引条件等の差別取扱い) 4 不当に、ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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(取引条件等の差別取扱い)

4 不当に、ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取扱いをすること。

 

不当な顧客誘引(4号)

 

神戸地判昭和54年12月11日金融・商事判例591号43頁

美容品類の卸売を業とする甲会社が乙と商品の継続的販売契約を締結するにあたり同業他社の商品を取り扱わないことを約させた場合において、甲の経営規模からみて他の同業者にとっては容易に取引の相手方を求められる状況を作り出すことができこれにより本来の競争による市場進出が妨げられるものと認められないときは、右契約は独占禁止法2条7項4号に該当するものとはいえない。

 

東京高判平成5年3月29日判例タイムズ861号260頁[ベルギー・ダイヤモンド事件]

マルチまがい商法によるダイヤ販売商法が違法とされ、損害賠償が認められた事例

 

 

東京高判平成7年9月26日東京高等裁判所判決時報民事46巻1~12号19頁

1 平成3年の証券取引法の改正法施行前にした証券会社による損失補填は、改正前の証券取引法50条1項3号、4号に違反しない

2 顧客との取引関係を維持し、又は拡大する目的で一部の顧客に対して行った損失補填は、不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示15号)の9項(不当な利益による顧客誘引)に該当し、独占禁止法19条に違反する

3 損失補填を行った証券会社の取締役に商法266条1項5号の法令違反(善管注意義務、忠実義務違反)がないとされた事例

 

東京高判平成8年3月28日判例時報1573号29頁

1 コンビニエンスストアのフランチャイズ契約におけるフランチャジー(加盟店)が競業他者の経営に関与し、若しくはこれらの者と業務提携あるいはフランチャイズ契約を結ぶことを禁止した約定が独占禁止法の定める不公正な取引方法に当たらないとされた事例

2 フランチャイジーが取締役をする会社がフランチャイザーの競業他者とフランチャイズ契約を締結したことがフランチャイズ契約における約定の解除原因に当たるとされた事例

2 右解除に伴う損害賠償額の予定の定が著しく高額であるとして一部を無効とされた事例

 

東京地判平成20年12月10日判例タイムズ1288号112頁[USEN対キャンシステム事件]

国内業務店向け有線放送業界1位の会社が2位の会社の元従業員によって設立された代理店と共謀し、2位の会社の従業員を大量かつ一斉に引き抜いた上、2位の会社の顧客に限って低価格でのサービスを提供をするキャンペーンを実施し、2位の会社の顧客を奪取した行為は、差別対価(一般指定3項)という不公正な取引方法に該当する違法な手段により2位の会社の顧客を大量に奪取して2位の会社の事業活動を排除し、もって公共の利益に反して、我が国における業務用有線音楽放送の取引分野における競争を実質的に制限したものであって、独占禁止法2条3項に規定する私的独占に該当し、独占禁止法3条に違反するとともに、不法行為に当たる。

 

東京高判平成20年12月19日判例時報2043号51頁

郵政省の郵便番号自動読取区分機類の入札で談合があったとして,公正取引委員会から排除措置を命じられたX1社とX2社の公取委に対する審決取消請求上告審で,審決を取消した東京高裁判決を破棄し審理を差し戻された事案で,東京高裁は,両者の間で郵政省担当者から内示を受けたほうだけが入札に参加するとの暗黙の合意があり,同省も一定の関与をしていたが,両社の責任が免除されるわけではないとして,両社の請求を棄却した事例

 

東京高判平成28年1月29日判例時報2303号105頁

日本法人(ブラウン管テレビ製造販売業者)が日本国外所在の現地製造子会社等に購入させるテレビ用ブラウン管について、外国法人が日本国外で、現地製造子会社等向け最低目標販売価格等を設定する旨を他社と合意した場合、その合意は、本件ブラウン管の購入先及び重要な取引条件について実質的決定をする我が国ブラウン管テレビ製造販売業者を対象にするものであり、その合意に基づいて、日本に所在する我が国ブラウン管テレビ製造販売業者との間で行われる交渉における自由競争を制限するという実行行為が行われたときは、これに対して我が国の独禁法3条後段を適用することができるとされた事例

 

勧告審決平成3年12月2日[野村証券事件]

損失補償が一般指定9項に該当するとした。

 

勧告審決昭和43年2月6日[綱島商店事件]

ルームクーラーの販売にカラーテレビを景品として提供した行為

 

東京高判平成14年6月7日判例タイムズ1099号88頁[カンキョー空気清浄機事件]

1およそ広告であって自己の商品等について大なり小なり賛辞を語らないものはほとんどなく、広告にある程度の誇張・誇大が含まれることはやむを得ないと社会一般に受け止められていて、一般消費者の側も商品選択の上でそのことを考慮に入れているが、その誇張・誇大の程度が一般に許容されている限度を超え、一般消費者に誤認を与える程度に至ると、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれが生ずる。そこて、景品表示法四条一号は、「著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」を禁止したもので、ここにいう「著しく」とは、誇張・誇大の程度が社会一般に許容されている程度を超えていることを指しているものであり、誇張・誇大が社会一般に許容される程度を超えるものであるかどうかは、当該表示を誤認して顧客が誘引されるかどうかで判断され、その誤認がなければ顧客が誘引されることは通常ないであろうと認められる程度に達する誇大表示であれば「著しく優良てあると一般消費者に誤認される」表示に当たると解される。
 そして、当該表示を誤認して顧客が誘引されるかどうかは、商品の性質、一般消費者の知識水準、取引の実態、表示の方法、表示の対象となる内容などにより判断される。
 

東京高判平成16年10月19日判例時報1904号128頁[ヤジマ対コジマ事件]

1 被控訴人の実施した各表示が,不当景品類及び不当表示防止法4条2号に違反する違法な不当表示にあたるとともに,その実施が不正競争防止法2条1項13号の不正競争行為にあたり営業妨害及び名誉棄損になるとして,損害賠償,各表示の実施停止及び謝罪広告等を請求した事案であり,原判決は,控訴人の請求を棄却したため,控訴人が控訴し,各表示が独禁法19条に違反するなどと主張した。

2 控訴人の請求はいずれも理由がなく,原判決は相当であるとして,本控訴を棄却した。

 

勧告審決平成3年11月21日[日本交通公社事件]

白夜が当該主催旅行の実施期間中見られるかのごとき広告が、誤認されるとされた

 

排除措置命令平成17年2月10日[東京リーガルマインド事件]

司法試験予備校が司法試験受験対策講座の受講者でない者を当該受講者に含めて合格実績をパンフレット等に表示していた行為