政治資金規正法6条及び7条所定の届出事項が公知である場合における当該届出義務の存否
高松高判昭和45年11月13日 刑集23巻4号769頁 判例タイムズ263号273頁 判例時報633号103頁
政治資金規正法違反被告事件
【判示事項】 政治資金規正法6条及び7条所定の届出事項が公知である場合における当該届出義務の存否
【判決要旨】 政治資金規正法6条及び7条所定の届出は、当該届出事項の内容が公知であると否とに拘らず、同法3条に該当するすべての政治団体に義務ずけられている。
政治資金規正法
(政治団体の届出等)
第六条 政治団体は、その組織の日又は第三条第一項各号若しくは前条第一項各号の団体となつた日(同項第二号の団体にあつては次条第二項前段の規定による届出がされた日、第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体として新たに組織され又は新たに政治団体となつた団体にあつては第十九条の八第一項の規定による通知を受けた日)から七日以内に、郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便によることなく文書で、その旨、当該政治団体の目的、名称、主たる事務所の所在地及び主としてその活動を行う区域、当該政治団体の代表者、会計責任者及び会計責任者に事故があり又は会計責任者が欠けた場合にその職務を行うべき者それぞれ一人の氏名、住所、生年月日及び選任年月日、当該政治団体が政党又は政治資金団体であるときはその旨、当該政治団体が第十九条の七第一項第一号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨及びその代表者である公職の候補者に係る公職の種類、当該政治団体が同項第二号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨、同号の公職の候補者の氏名及び当該公職の候補者に係る公職の種類その他政令で定める事項を、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならない。
一 都道府県の区域において主としてその活動を行う政治団体(政党及び政治資金団体を除く。次号において同じ。) 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会
二 二以上の都道府県の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府県の区域外の地域において、主としてその活動を行う政治団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
三 政党及び政治資金団体 主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て総務大臣
2 政治団体は、前項の規定による届出をする場合には、綱領、党則、規約その他の政令で定める文書(第七条第一項において「綱領等」という。)を提出しなければならない。
3 第一項の規定による届出をする場合には、当該届出に係る政治団体の名称は、第七条の二第一項の規定により公表された政党又は政治資金団体の名称及びこれらに類似する名称以外の名称でなければならない。
4 第一項の文書の様式は、総務省令で定める。
5 第一項及び第二項の規定は、政党以外の政治団体が第三条第二項の規定に該当することにより政党となつた場合について準用する。
第六条の二 政党は、それぞれ一の団体を当該政党の政治資金団体になるべき団体として指定することができる。
2 政党は、前項の指定をしたときは、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。その指定を取り消したときも、同様とする。
第六条の三 政治団体は、その主たる事務所の所在地又は主として活動を行う区域の異動により、第六条第一項各号の区分に応じ、同項の規定による届出を受けるべき都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に異動が生じたときは、その異動の日から七日以内に、当該異動が生じたことにより同項の規定による届出を受けるべき都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に対し、同項及び同条第二項の規定の例により届け出なければならない。
第七条 政治団体は、第六条第一項(同条第五項において準用する場合及び前条の規定によりその例によることとされる場合を含む。次条及び第七条の三において同じ。)の規定により届け出た事項に異動があつたときは、第六条第五項に規定する場合に該当する場合を除き、その異動の日(第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体に該当したとき又は当該国会議員関係政治団体に該当しなくなつたときにあつては、第十九条の八第一項又は第二項の規定による通知を受けた日)から七日以内に、その異動に係る事項を第六条第一項の規定の例により届け出なければならない。同条第二項(同条第五項において準用する場合及び前条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定により政治団体が提出した綱領等の内容に異動があつたときも、同様とする。
2 第六条第三項の規定は、政治団体が前項前段の規定による届出をする場合について準用する。
(政治団体の名称等の公表)
第七条の二 第六条第一項の規定による届出があつたときは、当該届出を受けた都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣は、その届出に係る政治団体の名称、その代表者及び会計責任者の氏名、当該政治団体の主たる事務所の所在地、当該政治団体が政党又は政治資金団体であるときはその旨、当該政治団体が第十九条の七第一項第一号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨及びその代表者である公職の候補者に係る公職の種類並びに当該政治団体が同項第二号に係る国会議員関係政治団体であるときはその旨、同号の公職の候補者の氏名及び当該公職の候補者に係る公職の種類を、遅滞なく、都道府県の公報又は官報への掲載、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。これらの事項につき前条第一項前段の規定による届出があつたときも、同様とする。
2 都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定による公表を都道府県の公報への掲載により行つたときは、直ちに当該公報の写しを総務大臣に送付しなければならない。
3 政党が第三条第二項の規定に該当しなくなつたことにより政党でなくなつたとき又は政治資金団体につき第六条の二第二項後段の規定による届出があつたときは、総務大臣は、遅滞なく、その旨を官報への掲載、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
(届出台帳の調製等)
第七条の三 第六条第一項の規定による届出を受けた都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣は、その届出に係る政治団体の台帳を調製し、これを保管しなければならない。
2 前項の台帳の記載事項その他その調製及び保管に関し必要な事項は、総務省令で定める。
(届出前の寄附又は支出の禁止)
第八条 政治団体は、第六条第一項の規定による届出がされた後でなければ、政治活動(選挙運動を含む。)のために、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない。
第六章 罰則
第二十三条 政治団体が第八条の規定に違反して寄附を受け又は支出をしたときは、当該政治団体の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、五年以下の禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。