手附契約の解釈 所有権移転登記手続請求事件 最高裁判所第3小法廷判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

手附契約の解釈


    所有権移転登記手続請求事件
【事件番号】    最高裁判所第3小法廷判決/昭和23年(オ)第119号
【判決日付】    昭和24年10月4日
【判示事項】    手附契約の解釈
【判決要旨】    売買契約書に「買主本契約ヲ不履行ノ時ハ手附金ハ売主ニ於テ没収シ、返却ノ義務ナキモノトス。売主不履行ノ時ハ買主ヘ既収手附金ヲ返還スルト同時ニ手附金ト同額ヲ違約金トシテ別ニ賠償シ以テ各損害補償ニ供スルモノトス。」という条項があることだけでは、民法第557条の適用を排除する意思表示があつたものということはできない。
【参照条文】    民法557-1
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集3巻10号437頁

民法
(手付)
第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。