婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位に及ぼす影響を考慮して婚姻無効確認請求が信義則に反するとはいえないとされた事例
婚姻無効確認請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/平成4年(オ)第673号
【判決日付】 平成8年3月8日
【判示事項】 婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位に及ぼす影響を考慮して婚姻無効確認請求が信義則に反するとはいえないとされた事例
【判決要旨】 甲の父が甲の意思に基づかないで甲乙の婚姻の届出をした場合において、甲が右届出がされたことを知らずに丙との婚姻の届出をして二人の子をもうけたため、甲乙の婚姻が無効でないとされると甲丙の婚姻が重婚に該当するとして取り消される等婚姻当事者以外の利害関係人の身分上の地位に重大な影響を及ぼすおそれがあるなど判示の事実関係の下においては、甲と乙との間には実質的婚姻関係が継続し、乙としては甲の父が甲の意向を受けて右届出をしたと思っても不合理ではなかったなどの判示の事情があったとしても、甲が届出意思の不存在を主張して甲乙の婚姻の無効確認請求をすることは、信義則に反するとはいえない。
【参照条文】 民法1
民法742
【掲載誌】 家庭裁判月報48巻10号145頁
最高裁判所裁判集民事178号93頁
最高裁判所裁判集民事178号787頁
裁判所時報1167号93頁
判例タイムズ912号147頁
判例時報1571号71頁
民法
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。
(婚姻の無効)
第七百四十二条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。