被告人が親権者である三歳の子供を同棲中の男性が暴行によりせっかん死させた事案 傷害致死(変更 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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被告人が親権者である三歳の子供を同棲中の男性が暴行によりせっかん死させた事案

 

 

傷害致死(変更後の訴因傷害致死幇助)被告事件

【事件番号】      札幌高等裁判所判決/平成11年(う)第59号

【判決日付】      平成12年3月16日

【判示事項】      被告人が親権者である三歳の子供を同棲中の男性が暴行によりせっかん死させた事案において、被告人は右暴行を制止する措置を採るべきであり、かつ、これを制止して容易に子供を保護できたのに、その措置を採ることなくことさら放置したとする傷害致死幇助罪の公訴事実について、被告人の不作為を作為による傷害致死幇助罪と同視することはできないなどとして無罪とした原判決を破棄した事例

【参照条文】      刑法62-1

             刑法205

             刑事訴訟法397-1

             刑事訴訟法380

             刑事訴訟法382

             刑事訴訟法400但書

【掲載誌】        高等裁判所刑事裁判速報集平成12年227頁

 

刑法

(幇ほう助)

第六十二条 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。

2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

 

(傷害致死)

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 

刑事訴訟法

第三百八十条 法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その誤及びその誤が明らかに判決に影響を及ぼすべきことを示さなければならない。

 

第三百八十二条 事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

 

第三百九十七条 第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。

② 第三百九十三条第二項の規定による取調の結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。