停止条件附代物弁済契約に基づいてなされた売買予約による所有権移転請求権保全の仮登記の効力 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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停止条件附代物弁済契約に基づいてなされた売買予約による所有権移転請求権保全の仮登記の効力

 

 

売買契約否認等本訴並びに所有権移転登記手続反訴事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和34年(オ)第183号

【判決日付】      昭和37年7月6日

【判示事項】      停止条件附代物弁済契約に基づいてなされた売買予約による所有権移転請求権保全の仮登記の効力

【判決要旨】      停止条件附代物弁済契約をなしたのに、登記申請手続を誤つて売買予約による所有権移転請求権保全の仮登記が経由された場合、後日停止条件が成就して仮登記の目的たる不動産所有権が仮登記権利者に移転したときは、仮登記権利者は、仮登記義務者に対し右仮登記の本登記手続を請求しうる。

【参照条文】      不動産登記法

             不動産登記法55

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集16巻7号1452頁

 

不動産登記法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 不動産 土地又は建物をいう。

二 不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。

三 表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。

四 権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。

五 登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。

六 登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。

七 表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。

八 権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。

九 登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。

十 表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。

十一 登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。

十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。

十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。

十四 登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。

十五 変更の登記 登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記をいう。

十六 更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。

十七 地番 第三十五条の規定により一筆の土地ごとに付す番号をいう。

十八 地目 土地の用途による分類であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。

十九 地積 一筆の土地の面積であって、第三十四条第二項の法務省令で定めるものをいう。

二十 表題登記 表示に関する登記のうち、当該不動産について表題部に最初にされる登記をいう。

二十一 家屋番号 第四十五条の規定により一個の建物ごとに付す番号をいう。

二十二 区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。

二十三 附属建物 表題登記がある建物に附属する建物であって、当該表題登記がある建物と一体のものとして一個の建物として登記されるものをいう。

二十四 抵当証券 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第一条第一項に規定する抵当証券をいう。

 

(仮登記)

第百五条 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。

一 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。

二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

(仮登記に基づく本登記の順位)

第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。

 

(仮登記に基づく本登記)

第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。