株式会社の取締役に対する職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力存続中に右取締役が辞任しその後の株主総会の決議をもって同一人を再度取締役に選任することが許されるか
臨時株主総会決議無効確認請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷/昭和42年(オ)第1113号
【判決日付】 昭和47年2月3日
【判示事項】 1、株式会社の取締役に対する職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力存続中に右取締役が辞任しその後の株主総会の決議をもって同一人を再度取締役に選任することが許されるか
2、株式名義書換請求につき許否を決する行為と商法271条にいう「会社ノ常務」
【判決要旨】 1、株式会社の取締役に対する職務執行停止・代行者選任の仮処分の効力存続中に、右取締役が辞任しその後の株主総会の決議をもって同一人を再度取締役に選任することも許される。
2、株式名義書換請求について、その要件を具備するかどうかを審査し、その許否を決することは、商法271条にいう「会社ノ常務」に属する行為として、代表取締役職務代行者もこれをすることができる。
【参照条文】 商法270
商法254
商法271
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事105号37頁
会社法
(取締役の職務を代行する者の権限)
第三百五十二条 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
2 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
(株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表)
(株主総会の決議)
第三百九条1項 株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。