自動車の割賦販売において、買い主としての名義貸人の信販会社に対する契約上の責任が認められた事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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自動車の割賦販売において、買い主としての名義貸人の信販会社に対する契約上の責任が認められた事例

 

 

立替金等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成5年(ワ)第158号

【判決日付】      平成5年11月26日

【判示事項】      自動車の割賦販売において、買い主としての名義貸人の信販会社に対する契約上の責任が認められた事例

【判決要旨】      1 自動車購入の際の立替払契約について名義貸しを承諾した者は、信義則上、販売店から自動車の引渡しを受けていないことを理由として立替金の支払請求を拒否することはできない。

             2 有限会社である販売店の従業員が自動車の販売代金を着服し、その販売代金に充てるため、他人名義を借りて立替払契約をするなどして割賦購入斡旋業者に損害を与えた場合、右会社の代表取締役が右従業員に対する十分な監督を怠り、右名義貸しを看過して右立替払契約を成立させたときは、有限会社法30条ノ31項に基づき、右斡旋業者が被った損害を賠償すべき義務がある。

【参照条文】      割賦販売法30の4-1

【掲載誌】        判例タイムズ871号247頁

             判例時報1495号104頁

             金融法務事情1392号48頁

 

 

会社法

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)

第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

一 取締役及び執行役 次に掲げる行為

イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録

ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

ハ 虚偽の登記

ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。)

二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録