手形の振出人が手形の記載上法人と個人のいずれであるか明らかでない場合における手形責任 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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手形の振出人が手形の記載上法人と個人のいずれであるか明らかでない場合における手形責任

 

 

              約束手形金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和46年(オ)第209号

【判決日付】      昭和47年2月10日

【判示事項】      手形の振出人が手形の記載上法人と個人のいずれであるか明らかでない場合における手形責任

【判決要旨】      法人の代表者が手形に振出人として署名した場合において、手形の記載のみでは、その記載が法人のためにする旨の表示とも、代表者個人のためにする表示とも解されるときは、手形所持人は、法人または代表者個人のいずれに対しても、手形金の請求をすることができ、右請求を受けた者は、その振出が真実いずれの趣旨でなされたかを知つていた直接の相手に対しては、その旨の人的抗弁を主張することができる。

【参照条文】      手形法1

             手形法8

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集26巻1号17頁

 

 

手形法

第一条 為替手形ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ

一 証券ノ文言中ニ其ノ証券ノ作成ニ用フル語ヲ以テ記載スル為替手形ナルコトヲ示ス文字

二 一定ノ金額ヲ支払フベキ旨ノ単純ナル委託

三 支払ヲ為スベキ者(支払人)ノ名称

四 満期ノ表示

五 支払ヲ為スベキ地ノ表示

六 支払ヲ受ケ又ハ之ヲ受クル者ヲ指図スル者ノ名称

七 手形ヲ振出ス日及地ノ表示

八 手形ヲ振出ス者(振出人)ノ署名

 

第八条 代理権ヲ有セザル者ガ代理人トシテ為替手形ニ署名シタルトキハ自ラ其ノ手形ニ因リ義務ヲ負フ其ノ者ガ支払ヲ為シタルトキハ本人ト同一ノ権利ヲ有ス権限ヲ超エタル代理人ニ付亦同ジ