実印の交付と民法第110条の代理権ありと信ずべき正当事由の存否 貸金請求事件 最高裁判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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実印の交付と民法第110条の代理権ありと信ずべき正当事由の存否

 

 

貸金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和33年(オ)第117号

【判決日付】      昭和35年10月18日

【判示事項】      実印の交付と民法第110条の代理権ありと信ずべき正当事由の存否

【判決要旨】      本人より実印の交付を受けて権限踰越の代理行為がなされた場合は、特別事情のない限り、民法第110条の代理権ありと信ずべき正当事由がある。

【参照条文】      民法110

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集14巻12号2764頁

 

 

民法

(代理権授与の表示による表見代理等)

第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

2 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

 

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。