否決の株主総会決議と無効確認の訴えの利益 株主総会決議無効確認請求控訴事件 東京高裁 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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否決の株主総会決議と無効確認の訴えの利益

 

 

株主総会決議無効確認請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和2年(ネ)第1462号

【判決日付】      令和3年5月13日

【判示事項】      1 否決の株主総会決議と無効確認の訴えの利益

             2 株主総会決議に係る一般私法上の無効確認の訴えの適法性

【判決要旨】      1 否決の株主総会決議の無効確認に係る訴えについて、訴えの利益があるということはできないとされた事例。

             2 その内容が可決であれ、否決であれ、会社法の定める規制や効力のない一般私法上の訴えにより株主総会決議の瑕疵について争うことはできない。

【参照条文】      会社法830

             会社法831

【掲載誌】        金融・商事判例1623号12頁

 

 

1 事案の概要

 被控訴人(被告)の株主である控訴人(原告)が、被控訴人の令和元年11月4日開催の臨時株主総会(本件株主総会)における取締役の報酬総額の上限額(年額)を引き下げる旨の議案を否決した決議(本件決議)について、決議の方法が法令に違反し、または著しく不公正であると主張して、無効確認を求めた(主位的請求)ところ、原審(東京地判令和2・2・26[令和2年(ワ)第2625号])は、この請求に係る訴えは不適法でその不備を補正することができないとして、これを、口頭弁論を経ないで却下した。そこで、控訴人が、控訴をし、かつ、控訴審において、予備的に、本件決議の方法に瑕疵が存在することの確認を求める請求を追加した。

 

 

会社法

(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)

第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。

2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。

 

(株主総会等の決議の取消しの訴え)

第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。

一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。

二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。

三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。

2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。