買主が履行期前にした土地の測量及び履行の催告が民法557条1項にいう履行の着手に当たらないとされた事例
土地建物所有権移転登記手続請求事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷判決/平成元年(オ)第1004号
【判決日付】 平成5年3月16日
【判示事項】 買主が履行期前にした土地の測量及び履行の催告が民法557条1項にいう履行の着手に当たらないとされた事例
【判決要旨】 土地及び建物の買主が、履行期前において、土地の測量をし、残代金の準備をして口頭の提供をした上で履行の催告をしても、売主が移転先を確保するため履行期が約1年9ヵ月先に定めれられ、右測量及び催告が履行期までになお相当の期間がある時点でされたなど判示の事実関係の下においては、右測量及び催告は、民法557条1項にいう履行の着手に当たらない。
【参照条文】 民法557-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集47巻4号3005頁
民法
(手付)
第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。