補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)の成立範囲及びその判断方法
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反,関税法違反被告事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷決定/平成19年(あ)第1352号
【判決日付】 平成21年09月15日
【判示事項】 1 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)の成立範囲及びその判断方法
2 保管又は処分した国産牛肉の量に応じて交付される補助金につき,対象外の牛肉等を上乗せして補助金の交付を受けた場合,補助金等不正受交付罪は,交付を受けた補助金全額ではなく,上乗せした牛肉に係る受交付額について成立するとされた事例
【判決要旨】 1 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)は,不正の手段と因果関係のある受交付額について成立し,因果関係については,不正の手段の態様,補助金交付の目的,条件,交付額の算定方法等を考慮して判断すべきである。
2 牛海綿状脳症(BSE)検査の実施以前にと畜・解体処理された国産牛肉を保管又は処分した場合に,その量に応じて交付される補助金について,その補助金の対象となる国産牛肉に加え,それ以外の又は実在しない牛肉を上乗せした合計量に対する補助金の交付を申請し,その交付を受けたという本件事実関係の下では,補助金等不正受交付罪は,不正の手段と因果関係のある上乗せした牛肉に係る受交付額について成立し,交付を受けた補助金全額について成立するものではない。
【参照条文】 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29-1
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集63巻7号783頁
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
第二十九条 偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の場合において、情を知つて交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。