民法第597条第2項但書(使用貸借の終了)の類推適用により土地使用貸借の解約が有効とされた事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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民法第597条第2項但書(使用貸借の終了)の類推適用により土地使用貸借の解約が有効とされた事例

 

 

建物収去土地明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和42年(オ)第821号

【判決日付】      昭和42年11月24日

【判示事項】      民法第597条第2項但書の類推適用により土地使用貸借の解約が有効とされた事例

【判決要旨】      父母を貸主とし、子を借主として成立した返還時期の定めがない土地の使用貸借であつて、使用の目的は、建物を所有して会社の経営をなし、あわせて、右経営から生ずる収益により老父母を扶養する等判示内容のものである場合において、借主はさしたる理由もなく老父母に対する扶養をやめ、兄弟とも往来をたち、使用貸借当事者間における信頼関係は地を払うにいたつた等原判決確定の事実関係があるときは(原判決理由参照)、民法第597条第2項但書を類推適用して、貸主は借主に対して使用貸借を解約できるものと解すべきである。

【参照条文】      民法597-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集21巻9号2460頁

 

 

民法

(期間満了等による使用貸借の終了)

第五百九十七条 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。

2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。

3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

(使用貸借の解除)

第五百九十八条 貸主は、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。

2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。

3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる。