請負契約における約定に反する太さの鉄骨が使用された建物建築工事に瑕疵があるとされた事例 請負 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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請負契約における約定に反する太さの鉄骨が使用された建物建築工事に瑕疵があるとされた事例

 

 

請負代金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成15年(受)第377号

【判決日付】      平成15年10月10日

【判示事項】      請負契約における約定に反する太さの鉄骨が使用された建物建築工事に瑕疵があるとされた事例

【判決要旨】      建物建築工事の請負契約において、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、主柱について特に太い鉄骨を使用することが約定され、これが契約の重要な内容になっていたにもかかわらず、建物請負業者が、注文主に無断で、上記約定に反し、主柱工事につき約定の太さの鉄骨を使用しなかったという事情の下では、使用された鉄骨が、構造計算上、居住用建物としての安全性に問題のないものであったとしても、当該主柱の工事には、瑕疵がある。

【参照条文】      民法634-1

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事211号13頁

             裁判所時報1349号278頁

             判例タイムズ1138号74頁

             金融・商事判例1204号23頁

             判例時報1840号18頁

 

 

民法

(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)

第六百三十四条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。

二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

 

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。