融資を受けるため売買を仮装して不動産を他人名義にした場合と第三者に対する責任 所有権移転登 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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融資を受けるため売買を仮装して不動産を他人名義にした場合と第三者に対する責任

 

 

              所有権移転登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和44年(オ)第1009号

【判決日付】      昭和45年6月2日

【判示事項】      融資を受けるため売買を仮装して不動産を他人名義にした場合と第三者に対する責任

【判決要旨】      甲が、融資を受けるため、乙と通謀して、甲所有の不動産について売買がされていないのにかかわらず、売買を仮装して甲から乙に所有権移転登記手続をした場合において、乙がさらに丙に対し右融資のあつせん方を依頼して右不動産の登記手続に必要な登記済証、委任状、印鑑証明書等を預け、丙がこれらの書類により乙から丙への所有権移転登記を経由したときは、甲は、丙の所有権取得の無効をもつて善意無過失の第三者に対抗できないと解すべきである。

【参照条文】      民法94-2

             民法110

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集24巻6号465頁

 

 

民法

(虚偽表示)

第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

(権限外の行為の表見代理)

第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。