日本電信電話公社事件・受診命令事件・就業規則が、労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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日本電信電話公社事件・受診命令事件・就業規則が、労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服すべき旨を定めている場合、右規定内容が合理的なものである限り、右規定内容は労働契約の内容となり、労働者に義務づけることになるとされた例 

 

 

              懲戒処分無効確認請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和58年(オ)第1408号

【判決日付】      昭和61年3月13日

【判示事項】      一 就業規則が、労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服すべき旨を定めている場合、右規定内容が合理的なものである限り、右規定内容は労働契約の内容となり、労働者に義務づけることになるとされた例 

二 就業規則、健康管理規定の定めからして、頸肩腕症候群総合精密検診を受診すべき旨の業務命令に従うべき義務があるものとされた例 

三 右受診命令に従わなかったこと、右問題に関する団交の場に押しかけ、その間(約一〇分間)職場離脱したことを理由とする懲戒(戒告)処分が有効なものとされた例

【判決要旨】      日本電信電話公社(昭和五九年法律第八五号日本電信電話株式会社法附則一一条による廃止前の日本電信電話公社法に基づき設立されたもの)が健康管理上の措置が必要であると認められる職員に対し二週間の入院を要する頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命ずる業務命令を発した場合において、右職員に労働契約上その健康回復を目的とする健康管理従事者の指示に従う義務があり、右検診が疾病の治癒回復という目的との関係で合理性ないし相当性を有するなど判示の事情があるときは、右業務命令は有効であり、これに違反したことを理由とする戒告処分は適法である。

【参照条文】      日本電信電話公社法(昭和59年法律第85号日本電信電話株式会社法附則11条による廃止前のもの)33

             労働基準法89

             労働基準法93

【掲載誌】        訟務月報32巻12号2739頁

             最高裁判所裁判集民事147号237頁

             労働判例470号6頁

 

 

労働基準法

(作成及び届出の義務)

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

 

(労働契約との関係)

第九十三条 労働契約と就業規則との関係については、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十二条の定めるところによる。

 

 

労働契約法

(就業規則違反の労働契約)

第十二条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。