第三者の所有にかかる物件の没収と上告理由 中型機船底曳網漁業取締規則違反被告事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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第三者の所有にかかる物件の没収と上告理由

 

              中型機船底曳網漁業取締規則違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和29年(あ)第3655号

【判決日付】      昭和35年10月19日

【判示事項】      第三者の所有にかかる物件の没収と上告理由

【判決要旨】      第三者の所有にかかる物件につき没収の言渡しがあったからといって、被告人においてこれを違憲無効であると主張抗争することは許されない。

【参照条文】      中型機船底曳網漁業取締規則8

             中型機船底曳網漁業取締規則27

             機船底曳網漁業取締規則8条の規定に基いて機船底曳網漁業の禁止区域を定める件(昭和22年農林省告示第76号)46号

             憲法29

             憲法31

             憲法32

             刑事訴訟法405

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集14巻12号1611頁

 

 

憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

 

 

刑事訴訟法

第三章 上告

第四百五条 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。

一 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。

二 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

三 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。