著作権侵害差止等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/平成21年(受)第602号、平成21年(受)第603号
【判決日付】 平成23年12月8日
【判示事項】 1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合における同国の国民の著作物である映画の著作権法6条3号所定の著作物該当性
2 著作権法6条3号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為と不法行為の成否
【判決要旨】 1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合において,我が国が同国との間で同条約に基づく権利義務は発生しないという立場を採っているときは,同国の国民の著作物である映画は,同国が上記条約に加入したことによって,著作権法6条3号所定の著作物に当たるとされることはない。
2 著作権法6条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は,同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成しない。
【参照条文】 著作権法6
文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約3(1)(a)
民法709
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集65巻9号3275頁
著作権法
第二節 適用範囲
(保護を受ける著作物)
第六条 著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
一 日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三 前二号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
文学的及び芸術的著作物の保護のためのベルヌ条約
1886年に採択されたベルヌ条約は、著作物の保護とその著作者の権利を扱っています。クリエイター(作家、ミュージシャン、詩人、画家など)に、自分の作品をどのように、誰によって、どのような条件下で使用できるかを制御する手段を提供します。それは3つの基本原則に基づいており、付与されるべき最低限の保護を定義する一連の規定と、開発途上国のための特別な規定を含んでいます。
ベルヌ条約の概要
文学及び芸術的著作物の保護のためのベルヌ条約の概要(1886年)
ベルヌ条約は、著作物の保護とその著作物における著作者の権利を扱っています。それは3つの基本原則に基づいており、付与されるべき最低限の保護を定義する一連の規定と、開発途上国のための特別な規定を含んでいます。
3つの基本原則は次のとおりです。
1 原産国が締約国の1つである著作物(すなわち、その著作者が当該締約国の国民であるか、又は当該締約国において最初に出版された著作物)は、他の締約国において、自国の国民の著作物に与えられたものと同じ保護(「内国民待遇」の原則)を享受する。
2. 保護は、いかなる形式(「自動保護」の原則)の完了を条件としない[2]。
3.保護は、作品の原産国における保護の存在とは無関係である(保護の「独立性」の原則)。ただし、締約国が条約で定める最低限度よりも長い保護期間を規定し、かつ、原産国において当該著作物が保護されなくなった場合には、原産国において保護が停止すると、保護は拒否することができる[3]。
最低限の保護は、作品、保護される権利、および保護期間に関するものです。
1 著作物については、保護は「文学的、科学的及び芸術的領域にあるすべての著作物、その表現様式又は形式を問わず」に適用されなければならない(条約第2条第1項)。
2. 一定の許可された制限、制限または例外を条件として、以下の権利は排他的な許可権として認識される権利の1つです。
翻訳する権利
(後略)。