仲介契約である有償準委任契約につき,その委任事務の処理が委任者のためばかりでなく,受任者の利益をも目的とした準委任契約とはいえないとして,委任者である被上告人の民法651条1項に基づく仲介契約の解除を認めた原判決を正当とし,被上告人の本件解除権の行使は,正当な権利行使であって信義則に違反するものではないとして,民法130条の適用を否定した事例
最高裁判所第3小法廷判決/昭和42年(オ)第1384号
昭和43年9月3日
報酬金請求
【判示事項】 仲介契約である有償準委任契約につき,その委任事務の処理が委任者のためばかりでなく,受任者の利益をも目的とした準委任契約とはいえないとして,委任者である被上告人の民法651条1項に基づく仲介契約の解除を認めた原判決を正当とし,被上告人の本件解除権の行使は,正当な権利行使であって信義則に違反するものではないとして,民法130条の適用を否定した事例
【判決要旨】 一、不動産売買契約の媒介を委託する契約に、報酬を支払う約定があつても、受任者の利益を目的とする委任契約とはいえないから、依頼者は、民法第六五一条第一項に基づき右契約を解除することができる。
二、民法第六五一条第二項の「不利ナル時期」とは、その委任の内容である事務処理自体に関して受任者が不利益を被るべき時期と解すべく、事務処理と異なる報酬を喪失するにすぎない場合を含まないものというべきである。
【参照条文】 民法651-1
民法651-2
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事92号169頁