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政令には政令5号業務として「電子計算機,タイプライター,テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作の業務」と定めるのみで,派遣先の労働者の地位との関係で政令26業務の場合に派遣期間の制限が解除された趣旨を踏まえても,主としてパソコン操作がその業務となっている場合について政令5号業務から外れるとまで解することができないとされた例

 

大阪地方裁判所判決/平成21年(ワ)第3157号

平成23年1月26日

地位確認等請求事件

【判示事項】    1 政令には政令5号業務として「電子計算機,タイプライター,テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作の業務」と定めるのみで,派遣先の労働者の地位との関係で政令26業務の場合に派遣期間の制限が解除された趣旨を踏まえても,主としてパソコン操作がその業務となっている場合について政令5号業務から外れるとまで解することができないとされた例

2 派遣労働者である原告Xが従事した業務が政令26業務(政令5号業務)に該当せず,また,それに従った派遣期間の制限違反等の労働者派遣法違反の事実があったとしても,労働者派遣法の趣旨およびその取締法規としての性質,さらには派遣労働者を保護する必要性等を踏まえると,特段の事情のないかぎり,そのことだけでXと派遣元である被告Y1社との間の派遣労働契約が,また,Y1社と派遣先である被告Y2社との労働者派遣契約が直ちに無効となるものではないとされた例

3 派遣労働者と派遣先との黙示の労働契約の成否を判断するに当たっては,派遣元に企業としての独自性があるかどうか,派遣労働者と派遣先との間の事実上の使用従属関係,労務提供関係,賃金支払関係があるかどうか等を総合的に判断して決するのが相当であるとされた例

4 労働者が派遣元との派遣労働契約に基づき派遣元から派遣先に派遣された場合であっても,派遣元が形式的な存在にすぎず,派遣労働者の労務管理を行っていないのに対して,派遣先が実質的に派遣労働者の採用,賃金額その他の労働条件を決定し,配置,懲戒等を行い,派遣労働者の業務内容・派遣期間が労働者派遣法で定める範囲を超え,派遣先の正社員と区別しがたい状況となっており,派遣先が派遣労働者に対し労務給付請求権を有し,賃金を支払っている等派遣先と派遣労働者間に事実上の使用従属関係があると認められるような特段の事情がある場合には,派遣先と派遣労働者との間において,黙示の労働契約が成立していると認めるのが相当であるとされた例

5 XとY2社との間には黙示の労働契約の成立は認められないが,Y2社がXに対し派遣労働契約終了後3か月の期間をおいて再度就労が可能であると告げたこと等から,Xの復職就労に関する期待が法的保護に値するものであり,Y2社による平成20年12月以降のXの就労の拒否はこれを侵害した違法行為であるとされ,30万円の損害賠償請求が認容された例

【掲載誌】     労働判例1025号24頁