インサイダー取引である株式の売付けにより得た財産(売却代金)又は同買付けにより得た財産の対価として得た財産(売却代金)について,当該財産が信用取引により取得されている場合において,その決済後に犯人が実質的に得ることのできない部分が高額にのぼるなど,当該財産の全部を没収することが,犯人に対し過酷な結果をもたらすと認められるときは,金融商品取引法198条の2第1項ただし書を適用して,各売却代金のうち決済後に犯人の手元に残る売買差益と委託保証金の合計金額に相当する部分のみを没収・追徴することも合理的な裁量として許されるとされた事例
東京地方裁判所判決/平成21年(特わ)第2957号
平成22年4月5日
証券取引法違反,金融商品取引法違反被告事件
【判示事項】 1 インサイダー取引である株式の売付けにより得た財産(売却代金)又は同買付けにより得た財産の対価として得た財産(売却代金)について,当該財産が信用取引により取得されている場合において,その決済後に犯人が実質的に得ることのできない部分が高額にのぼるなど,当該財産の全部を没収することが,犯人に対し過酷な結果をもたらすと認められるときは,金融商品取引法198条の2第1項ただし書を適用して,各売却代金のうち決済後に犯人の手元に残る売買差益と委託保証金の合計金額に相当する部分のみを没収・追徴することも合理的な裁量として許されるとされた事例
2 インサイダー取引の共同正犯者Aらが共同して同取引により得た財産について,共同正犯者全員が共同被告人とされている上,Aが同財産をすべて取得しており,他の共同正犯者において不法な利益の再投資のおそれがないなどの事情が認められる場合には,その全額をAからのみ追徴することも許されるとされた事例
【参照条文】 金融商品取引法198の2
証券取引法(平18法65号改正前)198の2
【掲載誌】 判例タイムズ1382号372頁