公職選挙法221条3項4号にいう「当該地域における選挙運動を主宰した者」の意義
最高裁判所第1小法廷決定/昭和57年(あ)第546号
昭和61年2月24日
【判示事項】 1 公職選挙法221条3項4号にいう「当該地域における選挙運動を主宰した者」の意義
2 公職選挙法221条3項4号にいう「地域における選挙運動を主宰すべき者として候補者又は総括主宰者から定められ」の意義
3 公職選挙法221条3項4号のいわゆる地域主宰者に当たるとされた事例
【判決要旨】 1 公職選挙法221条3項4号にいう「当該地域における選挙運動を主宰した者」とは、立候補届出以後の当該地域における選挙運動を推進するについて、その地域の中心的存在としてこれを掌握指揮する立場にあった者をいい、候補者又は総括主宰者が、全区域に共通する選挙運動の推進に関する事項全般にわたり、具体的かつ詳細な指示をしたような場合であっても、当該地域における選挙運動推進の中心的存在として、それらの者の指示を実施するための事務その他当該地域における選挙運動を推進するについての諸般の事務を掌握指揮した者は、これに該当する。
2 公職選挙法221条3項4号にいう「地域における選挙運動を主宰すべき者として候補者又は総括主宰者から定められ」とは、公職の候補者の立候補届出により候補者又は総括主宰者としての地位を取得するに至った者甲から、明示的又は黙示的に当該地域における選挙運動を主宰すべき者として定められことをいい、立候補届出以後においてその旨が明示的に定められた場合はもとより、甲と当該地域における選挙運動を主宰した者乙との立候補届出前後を通じての言動等に照らし、両者が意を通じ合い、互いにその地位役割を了解し、これに従って行動していたと認められる場合をも含む。
3 本件選挙運動の推進母体となった組織の活動が、立候補届出の前後を通じ、2地域に分けて行われたこと、被告人が、公示前の段階から、その1地域における活動を統括する組織の中心的存在として、運動者に対する指示、指導、活動資金の配分、対外活動を行い、立候補届出後においても、広範な買収行為を行うなどひきつづき前記組織の中心的存在として行動していたこと、総括主宰者が、公示前の段階から、被告人の右のごとき地位役割を了解し、同様の地位役割を立候補届出後も果たすべき旨の意思を表明していたことなどの本件事実関係(判文参照)のもとにおいては、被告人は公職選挙法221条3項4号のいわゆる地域主宰者に当たる。
【参照条文】 公職選挙法221-3
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集40巻1号95頁