被告人が、ホテルの客室において、被告人の承諾を得ずに同客室内に立ち入った被害者に対し、灰皿で殴打 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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被告人が、ホテルの客室において、被告人の承諾を得ずに同客室内に立ち入った被害者に対し、灰皿で殴打するなどの暴行を加え、傷害を負わせた事案について、盗犯等の防止及び処分に関する法律(以下「盗犯法」という)1条1項3号の場合に当たらず、かつ、被告人に急迫不正の侵害があるとの誤信はなかったとの原判決の認定はいずれも不合理であって、被告人に盗犯法1条2項の誤想防衛が成立することは否定できないとして、事実誤認を理由に原判決を破棄し、無罪を言い渡した事案

 

広島高等裁判所岡山支部判決/平成29年(う)第104号

平成30年3月14日

傷害被告事件

【判示事項】    被告人が、ホテルの客室において、被告人の承諾を得ずに同客室内に立ち入った被害者に対し、灰皿で殴打するなどの暴行を加え、傷害を負わせた事案について、盗犯等の防止及び処分に関する法律(以下「盗犯法」という)1条1項3号の場合に当たらず、かつ、被告人に急迫不正の侵害があるとの誤信はなかったとの原判決の認定はいずれも不合理であって、被告人に盗犯法1条2項の誤想防衛が成立することは否定できないとして、事実誤認を理由に原判決を破棄し、無罪を言い渡した事案

【参照条文】    盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律1-1-3

          盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律1-2

          刑事訴訟法397-1

          刑事訴訟法382

          刑事訴訟法400ただし書

【掲載誌】     高等裁判所刑事裁判速報集平成30年416頁

【解説】

1 事実の概要

 被告人は、本件当日、デリバリーヘルス店(以下「デリヘル店」という。)を利用し、岡山市内のラブホテル(以下「本件ホテル」という。)の客室(以下「本件客室」という。)において、前記デリヘル店では性交が禁止されているのに、女性従業員と性交したことから、女性従業員がデリヘル店にその旨連絡し、同店のドライバーが来るのを待った。本件ホテルの従業員は、デリヘル店から、客室で店の女の子と客がトラブルになっているのでドアの鍵を開けないよう電話で依頼され、その後、ドライバーのほか、被害者が本件ホテルに到着し、客室の解錠を求められたことからこれに応じた。被害者は、本件客室に入るとすぐ、被告人に対し、顔を近づけて「何をしてくれとるんなら。」と怒鳴ると、被告人から「お前誰、何しに来た。」などと聞かれたので用件を伝えたところ、被告人は、いきなり被害者の顔面の中央辺りを右拳で強打し、その後も前屈みの姿勢になり、腕で顔をガードしていた被害者に対し、その顔面付近を複数回殴打し、さらに灰皿で数回殴打するなどの暴行を加え、加療約36日間を要する傷害を与えた。