債務会社の財産を譲り受けた姉妹会社に対して法人格を否認し債務額を基準に支払いが命じられた事例
大阪高等裁判所判決/平成11年(ネ)第1672号、平成11年(ネ)第3228号
平成12年7月28日
貸金等請求控訴事件、同附帯控訴事件
【判示事項】 1 債務会社の財産を譲り受けた姉妹会社に対して法人格を否認し債務額を基準に支払いが命じられた事例
2 法人格否認の主張とともに詐害行為取消権を行使するのは許されないとされた事例
【判決要旨】 1 債務会社の姉妹会社は、財産譲渡により実質的に企業体としての債務会社自体を承継したから、正規に合併手続がとられた場合や、営業譲渡がなされて商号が続用される場合などとの均衡に照らしても、姉妹会社が債務会社との別人格性を主張し、その債務の承継のみを否定するのは信義則に反し許されず、財産譲渡の対価から債権者が相殺によって受領したものを差し引いても、債務金額が請求金額を上回っているから、請求金額全額の請求を拒むことはできない。
2 姉妹会社は債務会社の債権者に対する関係では別人格であることを主張できず、両者は1体のものと評価されるべきであるから、その間でなされた本件財産譲渡によって債権者が害されるとはいえないし、債権者は、財産譲渡を根拠に法人格の否認を主張して債務の履行を求めながら、他方でその取消しを主張するのは矛盾し許されない。
【参照条文】 商法54
民法1-3
民法424
【掲載誌】 金融・商事判例1113号35頁