公職選挙法に定める金銭供与の罪に関する共同謀議 最高裁判所第1小法廷判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

公職選挙法に定める金銭供与の罪に関する共同謀議

 

最高裁判所第1小法廷判決/昭和41年(あ)第1709号

昭和43年3月21日

公職選挙法違反被告事件

【判示事項】    1、公職選挙法に定める金銭供与の罪に関する共同謀議

2、右の共謀者間において交付された金銭の一部につき共謀に基づく供与等のなされたことが認められる場合においてすでに交付者に対し右供与等の罪につき無罪判決が確定しているときと交付罪の成否

【判決要旨】  1 公職選挙法に定める金銭供与の罪に関する共同謀議が成立したとするためには、数人の間に一定の選挙に関し一定範囲の選挙人または選挙運動者に対し、投票または投票とりまとめを依頼し、その報酬とする趣旨で金銭を供与するという謀議の成立があれば足り、その供与の相手方となるべき具体的人物、配布金額、金員調達の手段等細部の点まで協議されることを必要とするものではない。

2 被告人が、選挙運動者に対しいわゆる買収資金を交付したとする訴因(以下甲訴因という。)および右選挙運動者と共謀のうえ第3者に右資金の一部を供与または交付したとする訴因(以下乙訴因という。)につき併合審理され、甲訴因につき有罪、乙訴因につき無罪の判決を受けた場合において、無罪部分につき検察官の上訴がなくすでに確定しているときは、上訴審において、甲乙両訴因に含まれる事実関係が認められる以上、甲訴因の罪のうち右の供与等がなされた資金に関する部分は、すでに無罪判決の確定した乙訴因の罪に吸収される関係にあり、右部分については、もはや被告人に対し交付罪としての罪責を問うこともできない。

(2について反対意見がある。)

【参照条文】    公職選挙法221-1

          刑法60

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集22巻3号95頁