本件退職金規程のB規定への改定は,退職金50%削減という不利益性の強いものではあるが,被控訴人会 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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本件退職金規程のB規定への改定は,退職金50%削減という不利益性の強いものではあるが,被控訴人会社の倒産回避という切迫した事情のもとにされたもので,これが行われずに倒産に至った場合には,控訴人らをはじめとする被控訴人の従業員は,破産による清算でより少額の配当を受けるにとどまったばかりか,職を失うおそれがあったこと,そして,そのもととなる再建計画は,第三者であるP社の意見も聴いて作成されたものであり,合理性を有するものと解されること,控訴人ら所属の労働組合以外の2労働組合をはじめ,他の従業員は,改定に積極的に反対するものとは認められないことなどをはじめとする諸般の事情を考慮すれば,B規定をもって,法規範性を是認し得るに足りる合理性を有するものであるとした一審判決が維持された例

 

東京高等裁判所判決/平成19年(ネ)第3384号

平成20年2月13日

退職金等請求控訴事件

【判示事項】    1 本件退職金規程のB規定への改定は,退職金50%削減という不利益性の強いものではあるが,被控訴人会社の倒産回避という切迫した事情のもとにされたもので,これが行われずに倒産に至った場合には,控訴人らをはじめとする被控訴人の従業員は,破産による清算でより少額の配当を受けるにとどまったばかりか,職を失うおそれがあったこと,そして,そのもととなる再建計画は,第三者であるP社の意見も聴いて作成されたものであり,合理性を有するものと解されること,控訴人ら所属の労働組合以外の2労働組合をはじめ,他の従業員は,改定に積極的に反対するものとは認められないことなどをはじめとする諸般の事情を考慮すれば,B規定をもって,法規範性を是認し得るに足りる合理性を有するものであるとした一審判決が維持された例

2 控訴人らの二審での主張につき,(1)P社の調査報告書は,不動産評価および債務免除額を含め,その内容に特に問題があるとは認めがたく,同報告書を前提とした被控訴人の金融機関との交渉につき不適切な対応は認められない,(2)被控訴人の労働組合等との交渉につき,退職金規程の改定の違法事由となり得る手続き的な瑕疵は認められない,(3)被控訴人が専らリストラの敢行の口実として現に存しない倒産の危機に殊更に言及してきたとは認められないとして,いずれも退けられた例

3 本件退職金規程改定の効力を認めて,控訴人らの退職金差額支払請求を棄却した一審判決が相当とされ,控訴が棄却された例

【掲載誌】     労働判例956号85頁

          労働経済判例速報1996号29頁