被控訴人(一審被告)Y大学の准教授である控訴人(一審原告)Xによる学生に対する「馬鹿」,「今年は | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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被控訴人(一審被告)Y大学の准教授である控訴人(一審原告)Xによる学生に対する「馬鹿」,「今年は単位をあげないので,大学を辞めるか,もう一年やるか,親と相談しなさい」,「論文を書いても見ない」などの発言や,ゼミ生全員が参加する学会準備に一人だけ参加させなかったこと,インターンシップ参加を希望する学生に対する中止の説得,院生に学部学生を指導させるなど行き過ぎた教育方法,時間割の逸脱,学生に対する不公平な扱いなどの行為について,アカハラ等の懲戒対象行為に該当するとした一審判断が維持された例

 

東京高等裁判所判決/平成25年(ネ)第3864号

平成25年11月13日

懲戒処分等無効確認および損害賠償請求控訴事件

【判示事項】    1 被控訴人(一審被告)Y大学の准教授である控訴人(一審原告)Xによる学生に対する「馬鹿」,「今年は単位をあげないので,大学を辞めるか,もう一年やるか,親と相談しなさい」,「論文を書いても見ない」などの発言や,ゼミ生全員が参加する学会準備に一人だけ参加させなかったこと,インターンシップ参加を希望する学生に対する中止の説得,院生に学部学生を指導させるなど行き過ぎた教育方法,時間割の逸脱,学生に対する不公平な扱いなどの行為について,アカハラ等の懲戒対象行為に該当するとした一審判断が維持された例

2 Xの一連の懲戒対象行為は,長期間に及んでいるうえ,多くの学生の研究環境や人生設計に多大な悪影響を与えるものであり,教員として不適切なものといわざるを得ず,これらの懲戒対象行為について,出勤停止3か月とした本件懲戒処分は相当であるとした一審判断が維持された例

3 使用者は,労働契約によって取得する労働力の利用権に基づき,労働者に対して教育訓練を実施する権利を有するところ,Xに対して今後は懲戒対象となる行為をすることがないよう研修を実施することは,研修として相当性を欠くものでない限り,使用者の権利に属するとした一審判断が維持された例

4 本件懲戒処分,ハラスメント防止研修の受講,学生との接触禁止,教授会への出席自粛要請等の措置につき不法行為には当たらないとして,XからY大学に対する損害賠償請求を棄却した一審判断が維持された例

【掲載誌】     労働判例1101号122頁