原告がセクハラ行為や嫌がらせと評価すべき取扱いにより精神的苦痛を受けたとして100万円の慰謝料が | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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原告がセクハラ行為や嫌がらせと評価すべき取扱いにより精神的苦痛を受けたとして100万円の慰謝料が認められた事例

 

名古屋地方裁判所判決/平成15年(ワ)第4903号

平成17年9月16日

残業代金等請求事件

【判示事項】    1 「業務推進手当」の支払をもって残業代の一部支払であると認めることはできないとされた事例

2 被告が割増賃金の基礎となる法定時間外労働時間の存在を認めていたことをもって残業代債務を承認していたとはいえず,また従前の交渉過程において被告が消滅時効の主張をせず,本件訴訟において初めて消滅時効の援用をしても信義則違反ではないとされた事例

3 被告と極めて密接な関係にある会社に対して残業代を支払うように労基署から是正勧告がされたにもかかわらず,被告がこれを無視して本件残業代債務の支払をしなかったことを勘案して付加金の支払請求が認められた事例

4 原告に対する出向命令発令の事実は認められないが,被告が出向の黙示的意思表示をしたと解する余地があるとしても,それは業務上の必要性とは別個の不当な動機・目的に基づくものであって,権利濫用であるとされた事例

5 原告がセクハラ行為や嫌がらせと評価すべき取扱いにより精神的苦痛を受けたとして100万円の慰謝料が認められた事例

【参照条文】    労働基準法37

          労働基準法38の2

          民法1-2

          民法147

          労働基準法115

          労働基準法114

          民法1-3

          民法709

          民法710

          民法715-1

【掲載誌】     判例タイムズ1230号184頁