消滅会社との間で,有期労働契約の更新を繰り返してきた原告が,同社の契約不更新は解雇権濫用と主張し | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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消滅会社との間で,有期労働契約の更新を繰り返してきた原告が,同社の契約不更新は解雇権濫用と主張し,同社を吸収合併した被告会社に対し,地位確認と賃金の支払等を,消滅会社の代表者であった被告に対し,慰謝料の請求をした事案。

 

横浜地方裁判所判決/平成23年(ワ)第5521号

平成25年4月25日

地位確認等請求事件

【判示事項】    消滅会社との間で,有期労働契約の更新を繰り返してきた原告が,同社の契約不更新は解雇権濫用と主張し,同社を吸収合併した被告会社に対し,地位確認と賃金の支払等を,消滅会社の代表者であった被告に対し,慰謝料の請求をした事案。

裁判所は,消滅会社と原告との合意による労働契約の終了を否定し,雇止めを認め,更新回数の多さや雇用継続の期間,基幹的作業への従事から,本件雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されるが,本件雇止めの当時,消滅会社は,巨額の累積赤字を計上し,人員削減の必要性が高かったこと,多くの派遣社員の契約を終了させたこと,原告の加入した組合と団体交渉を持ち,慰労金の支払いや派遣会社への就職の斡旋等の提案をしており,本件雇止めが客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当として是認できないものとはいえないとし,原告の請求を退けた事例

【掲載誌】     労働判例1075号14頁