航空法138条の罪と同法53条違反の罪との関係
東京地方裁判所判決/昭和44年(合わ)第308号
昭和48年12月26日
航空法違反、威力業務妨害被告事件
【判示事項】 1、航空法138条の罪と同法53条違反の罪との関係
2、右138条にいう「その他の方法」および「航空の危険」の意義
3、航空法138条の航空危険罪が成立するとされた事例
【判決要旨】 1、航空法138条の罪は航空の危険を生じさせることを要件としているものであつて、具体的危険犯と解すべきものであり、同法53条違反の罪は同条において航空の危険を生じさせるおそれのある行為を禁止行為として抽象的に揚げているにすぎないものであつて、抽象的危険犯と解すべきものである。
2、航空法138条にいう「その他の方法」とは、行為の形態において「損壊」に準ずるものをいうにとどまらず、行為の危険性において、「損壊」に準ずるものをも含むと解すべきである。同条にいう「航空の危険」とは、航空機の衝突、接触、墜落、□覆、火災等の事故発生の可能性ある状態をいうものと解すべきである。
3、現に着地して滑走中の航空機を含む多数の航空機が離着陸しようとしている滑走路上において、他4名の者とともに赤旗をふりかざす等の態様で進行しながら火炎びん2本を投擲・炎上させ、そのガラス破片を散乱させた行為(判文参照)は航空法138条にいう「その他の方法で航空の危険を生じさせた」行為に該当する。
【参照条文】 航空法138
航空法53
航空法150
刑法234
【掲載誌】 刑事裁判月報5巻12号1660頁
判例タイムズ307号296頁
判例時報731号22頁
刑事裁判資料228号724頁