海上自衛隊護衛艦「あたご」事件 東京高等裁判所判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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海上自衛隊護衛艦「あたご」事件

 

東京高等裁判所判決/平成23年(う)第1545号

平成25年6月11日

各業務上過失往来危険,業務上過失致死被告事件

海上自衛隊護衛艦「あたご」事件

【判示事項】    海上自衛隊護衛艦と漁船の衝突事故に関し,両船が互いに進路を横切る関係にある場合,相手船を右舷に見る側の護衛艦に,衝突のおそれがあると判断される「見合い関係」が成立した時点から避航義務が発生するが,護衛艦の当直士官であった被告人らの過失の有無については,一定の幅のあるものとしてしか特定できない漁船の航跡の中で被告人に最も有利な航跡に基づいて判断すべきであり,これによると,避航義務を課すべき舷灯の最短視認距離の範囲内では,護衛艦から見た漁船のコンパス方位に明確な変化が認められることなどから,「見合い関係」が成立しておらず,護衛艦に避航義務は認められないとして,被告人らを無罪とした原判決が結論において維持された事例

【判決要旨】    海上衝突予防法の定める横切り船の避航義務は,両船が互いに進路を横切り,衝突のおそれがあると判断すべき関係(いわゆる「見合い関係」)が成立した時点から発生するが,その「見合い関係」の成立は,船舶の長さ(船長)によって定められた最短視認距離の時点からコンパス方位の変化を測定するなどして「衝突のおそれ」の有無を判断すればよい。

【参照条文】    刑法129-2

          刑法211-1前段(平25法86号改正前)

          海上衝突予防法15-1

          海上衝突予防法7-4

          海上衝突予防法22

【掲載誌】     高等裁判所刑事裁判速報集平成25年76頁

          東京高等裁判所判決時報刑事64巻1~12号124頁

          判例タイムズ1409号278頁