私立大学の退職金規程が職員の死亡退職金を「遺族」に支給するとのみ定めている場合には、その受給権者は、相続人ではなく、職員の死亡の当時、主としてその収入により生計を維持していた配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)が第一順位の受給権者となると解すべきである。
最高裁判所第1小法廷判決/昭和59年(オ)第320号
昭和60年1月31日
家屋明渡等請求本訴、土地所有権確認等請求反訴上告事件
【判示事項】 死亡退職金の支給等を定めた学校法人の規程が、死亡退職金は、「遺族にこれを支給する」とのみ定めている場合において、同規程は専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし、民法上の相続とは別の立場で死亡退職金の受給権者を定めたものであつて、受給権者たる遺族の具体的な範囲及び順序については、私立学校教職員共済組合法25条(昭和54年法律第74号による改正前のもの。)及び国家公務員共済組合法2条、43条の定めるところを当然の前提としていたのであるから、それらの法条の定めるところによるべきであるとして、右遺族の第1順位は職員の死亡の当時主としてその収入により生計を維持していた配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)と解すべきであるとした事例
【判決要旨】 私立大学の退職金規程が職員の死亡退職金を「遺族」に支給するとのみ定めている場合には、その受給権者は、相続人ではなく、職員の死亡の当時、主としてその収入により生計を維持していた配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)が第一順位の受給権者となると解すべきである。
【参照条文】 私立学校教職員共済組合法25
国家公務員共済組合法2
国家公務員共済組合法43
民法896
【掲載誌】 家庭裁判月報37巻8号39頁
最高裁判所裁判集民事144号75頁