関税法第118条の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者または犯人の1人が右貨物またはその価格を通告処分の履行として税関に納付した場合における他の犯人に対する追徴の適否
最高裁判所大法廷判決/昭和35年(あ)第1772号
昭和38年12月4日
関税法違反被告事件
【判示事項】 1、関税法第118条の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者または犯人の1人が右貨物またはその価格を通告処分の履行として税関に納付した場合における他の犯人に対する追徴の適否
2、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前第三者所有物を没収した第1審判決を破棄する場合と同法施行後において上訴審のとるべき措置
【判決要旨】 1、関税法第118条の犯罪貨物が数人の犯人の間に転々譲渡された場合、最終知情取得者が通告処分の履行として右貨物を税関に納付し、或は犯人の1人が通告処分の履行として追徴金相当額を税関に納付した後は、他の犯人に対し同条による追徴の言渡をすることは許されない。
2、上訴審が、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法施行前、第三者に告知聴問の機会を与えることなくその所有物を没収した第1審判決を破棄する場合、同法施行後においては、当該事件を第1審に差し戻して、同法所定の手続を履践させるのが相当である。
【参照条文】 関税法118-1
刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法1
刑事訴訟法400
刑事訴訟法413
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集17巻12号2415頁