カード会員規約の書類到達擬制条項がカードに適用されず、同規約の責任条項がカードの本人受領前の不正 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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カード会員規約の書類到達擬制条項がカードに適用されず、同規約の責任条項がカードの本人受領前の不正使用に類推適用されないとされた事例

 

大阪高等裁判所判決/昭和61年(ネ)第1567号

平成元年1月26日

譲受債権請求控訴事件

【判示事項】    1、クレジットカード契約自体の期限はカードの有効期限とは無関係であって期限の定めがないとされた事例

2、簡易書留郵便の本人による受領につき事実上の推定ができないとされた事例

3、同カード会員規約の書類到達擬制条項がカードに適用されず、同規約の責任条項がカードの本人受領前の不正使用に類推適用されないとされた事例

【判決要旨】    クレジット・カードの有効期限満了の際、新カードがクレジット会社から会員の届出住所宛に送付されても、受取人住所所轄郵便局窓口において他人に交付され、これが不正に使用されたときは、カード会員保険制度規約上の責任条項を類推適用することはできず、会員は右カードの不正使用による責任を負わないものというべきである。

【参照条文】    民法91

          民法3編2章1節1款

          民法97

          郵便法45

          郵便法46

【掲載誌】     判例タイムズ697号231頁

          金融・商事判例830号15頁

          判例時報1330号54頁

          金融法務事情1223号28頁