雇用契約上の賃金額を下回る,5度にわたる被告の賃金規程に基づく賃金額の設定(基本給減額)の効力に | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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雇用契約上の賃金額を下回る,5度にわたる被告の賃金規程に基づく賃金額の設定(基本給減額)の効力につき,被告が根拠とする賃金規程は,原告が勤務していた店舗に備え付けられていなかったとして,かかる賃金減額は認められないとされた例

 

大阪地方裁判所判決/平成20年(ワ)第3269号

平成21年6月12日

賃金等請求事件

【判示事項】    1 全国展開しているカラオケ店の店長として雇用されていた原告労働者の雇用契約上の賃金額につき,被告会社の出した店長職の求人募集に基づき,基本給月額20万円,店長手当月額3万円,さらに売上げに応じた歩合給を支払う旨の合意があったものとして,原告が店長に就任した月の未払賃金3万円の支払請求が認められた例

2 上記雇用契約上の賃金額を下回る,5度にわたる被告の賃金規程に基づく賃金額の設定(基本給減額)の効力につき,被告が根拠とする賃金規程は,原告が勤務していた店舗に備え付けられていなかったとして,かかる賃金設定は認められないとされた例

3 原告の2度にわたる昇給につき,見做残業手当は周知していない賃金規程に基づくものであって時間外手当等の弁済として認める余地がなく,当事者の合理的恣意解釈としては,それらの昇給は,基本給増額の合意と推認できるとされた例

4 原告の管理監督者性(労基法41条2号)につき,(Ⅰ)経営的事項への関与,(Ⅱ)労務管理の関与,(Ⅲ)待遇について検討のうえ,原告が管理監督者であることを認めるに足りる証拠はないとされた例

5 当初約束された基本給および店長手当の合計額23万円と支給額が同額になるよう支給されていた本件見做残業手当は,周知されていない賃金規程に基づくものであって時間外手当等の定額払いと認める余地はなく,基本給または店長手当の支払いの一部と認められ,また原告はその主張どおり時間外および深夜労働をしたものであるとして,未払いの時間外割増手当および深夜割増手当として合計354万1290円を認め,このうち,原告の請求額である339万9664円と,同額の付加金の支払いが命じられた例

6 借上社宅からの退去後の社宅費や火災保険料等として,法律上の原因なく控除された合計8万5485円につき,不当利得返還請求権が認められた例

【掲載誌】     労働判例988号28頁