航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律2条の罪の未遂罪(同法5条)が成立するとされた事例
福岡高等裁判所判決/昭和57年(う)第481号
昭和58年8月4日
【判示事項】 航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律2条の罪の未遂罪(同法5条)が成立するとされた事例
【参照条文】 航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律2-1
航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律5
【掲載誌】 判例タイムズ512号186頁
【解説】
本判決は、巨額の業務上横領の罪を犯しその補填に窮した被告人が、自己を被保険者とする多額の生命保険に加入したうえ、旅客機に搭乗し航空機事故を装ってこれを破壊・墜落させ乗員乗客を道連れに自殺すれば、右保険金により横領金を補填できると考え、航行中の旅客機後部のラバトリー内で、カセット式液化ブタンガスボンベ220グラム入3本をキャップをはずして便座後方の壁際にたてかけ、新聞紙を床にひろげてベンジン約800ミリリットルを散布して点火して炎上させたが、ボンベが爆発する前に、乗務員に発見されて消火されたため、航空機は、大分空港に緊急着陸することができ、被告人の予期した結果は発生しなかったという事案に関する控訴審判決である。