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原告らのうつ病ないしうつ状態罹患と連続「深夜勤」勤務との間には因果関係があると認められ,被告は,連続「深夜勤」の指定につき,不規則な指定をしており,また不規則な深夜帯の交替勤務についてはうつ病等の精神障害の発生率がより高いことが指摘されていることからすると,被告には,原告らに対する安全配慮義務違反(過失)があるとされた例

 

東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第21274号

平成21年5月18日

深夜勤就労義務不存在確認等請求事件

【判示事項】    1 郵便局に勤務する原告2名が,本件各協約および就業規則変更により実施されることとなった「深夜勤(ふかやきん)」の連続指定・勤務によりうつ病ないしうつ状態に罹患したとして,被告Y社に対し慰謝料等の請求をした件につき,公社協約,旧協約および本件協約のいずれについても,原告ら所属の労働組合の内部手続に瑕疵があるとはいえず,また,原告らを含む一般組合員をことさらに不利益に扱うことを目的として締結されたとはいえないから,原告らに対し効力(拘束力)が及ぶと解するのが相当であるとされた例

2 労働協約の拘束力があるとしても,その内容が公序良俗等に反する等の無効原因があれば,当該協約およびこれに基づく就業規則,そして勤務指定も無効になりうるとされた例

3 連続「深夜勤」指定を定める就業規則等は,その不利益の内容と程度,「深夜勤」勤務実施の必要性,合理性とを総合考慮するならば,憲法13条,18条,25条,国際人権規約A規約7条の趣旨を考慮しても,公序良俗に反するとか強行法規に反するとはいえないし,連続「深夜勤」勤務を指定することも,(一般的には)違法無効とまではいえないとされた例

4 原告らのうつ病ないしうつ状態罹患と連続「深夜勤」勤務との間には因果関係があると認められ,被告は,連続「深夜勤」の指定につき,不規則な指定をしており,また不規則な深夜帯の交替勤務についてはうつ病等の精神障害の発生率がより高いことが指摘されていることからすると,被告には,原告らに対する安全配慮義務違反(過失)があるとされた例

5 各原告の病状,休職期間,他の原因の関与,労働能力の喪失の程度等の事情を総合考慮し,原告らにそれぞれ80万円,50万円の損害額(慰謝料額)が認められた例

6 少なくとも現在において,原告らの生命,身体が将来侵害されようとしている差し迫った具体的な危険があるとまではいえないとして,原告らの人格権に基づく「深夜勤」指定の差止請求が棄却された例

【掲載誌】     労働判例991号120頁

          労働経済判例速報2099号9頁