労働者派遣が,労働者派遣法の原則的枠組みによらない場合,例えば,労働者派遣が,労働者派遣法の原則的枠組みを超えて遂行され,派遣先事業主が,派遣労働者の基本的労働条件を現実的かつ具体的に支配・決定している場合のほか,派遣先事業主が同法44条から47条の2の規定により,使用者とみなされ労基法等による責任を負うとされる労働時間,休憩,休日等の規定に違反し,かつ部分的とはいえ雇用主と同視できる程度に派遣労働者の基本的な労働条件等を現実的かつ具体的に支配,決定していると認められる場合には,当該決定されている労働条件等に限り,労組法7条の使用者に該当するとされた例
東京地方裁判所判決/平成24年(行ウ)第868号
平成25年12月5日
阪急交通社・阪急トラベルサポート事件
『平成26年重要判例解説』労働法事件
不当労働行為救済命令取消請求事件
【判示事項】 1 労働者派遣が,労働者派遣法の原則的枠組みによらない場合,例えば,労働者派遣が,労働者派遣法の原則的枠組みを超えて遂行され,派遣先事業主が,派遣労働者の基本的労働条件を現実的かつ具体的に支配・決定している場合のほか,派遣先事業主が同法44条から47条の2の規定により,使用者とみなされ労基法等による責任を負うとされる労働時間,休憩,休日等の規定に違反し,かつ部分的とはいえ雇用主と同視できる程度に派遣労働者の基本的な労働条件等を現実的かつ具体的に支配,決定していると認められる場合には,当該決定されている労働条件等に限り,労組法7条の使用者に該当するとされた例
2 旧会社ないし原告X社が添乗業務の具体的な指揮命令を通じて,また添乗業務の過程の中で使用されるパンフレット,最終日程表,アイテナリー,指示書さらには添乗員が作成する添乗日報および添乗員報告書を総合して,添乗業務にかかる労働時間を算定することが困難であるとは認められないとされた例
3 旧会社ないしX社は,参加人支部組合員らの実労働時間が法定労働時間内に収まらない場合には算定された時間外労働時間に応じた割増賃金の支払いを受けることを事実上困難にしている点において,部分的とはいえ,雇用主と同視できる程度に参加人支部組合員らの基本的な労働条件を支配,決定していると認められるから,本件団交事項のうち,労働時間管理に関する要求事項につき,労組法7条の使用者に当たるというべきであるとされた例
4 一般に,会社分割において,契約上の地位や法的地位を承継の対象とすることができないと解すべき理由はなく,労働契約承継法6条も,会社分割によって労働組合員が分割会社と承継会社に分散することが通例であることから,特別の処理を定めた趣旨と解するのが相当であって,会社分割において権利義務以外の承継が不可能であるために設けられた規定とは解されないとされた例
5 労組法7条の使用者たる地位も,一般に会社分割により承継することのできない法的地位とは解されないところ,団結権の侵害に当たる一定の行為を不当労働行為としてこれを排除し,是正して正常な労使関係を回復するという労組法7条の趣旨および本件において問題となる不当労働行為が派遣就業関係における労働時間の管理に関する事項であることに照らせば,X社は,参加人支部組合員との派遣就業関係の承継に伴い,旧会社から,参加人支部組合員との関係での労組法7条の使用者たる地位を承継したとされた例
【掲載誌】 労働判例1091号14頁
労働経済判例速報2201号3頁