合名会社の業務の執行が多数派社員によって不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被っている場合と会社の解散についての商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」
最高裁判所第1小法廷判決/昭和56年(オ)第1243号
昭和61年3月13日
『昭和61年重要判例解説』商法事件
合名会社解散請求事件
【判示事項】 1、合名会社の業務の執行が多数派社員によって不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被っている場合と会社の解散についての商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」
2、合名会社の業務の執行が多数派社員によって不公正かつ利己的に行われ少数派社員が恒常的な不利益を被っている状態において会社の解散を請求した少数派社員の退社が右の状態を打開する公正かつ相当な手段とはいえないとされた事例
【判決要旨】 1、合名会社の業務が1応困難なく行われているとしても、その執行が、多数派社員によって不公正かつ利己的に行われ、少数派社員が恒常的な不利益を被っている場合には、かかる状態を打開する公正かつ相当な手段のない限り、会社の解散につき商法112条1項にいう「已ムコトヲ得ザル事由」があるものと解すべきである。
2、合名会社の業務の執行が多数派社員によって不公正かつ利己的に行われ、少数派社員が恒常的な不利益を被っている状態において、少数派社員のうち、Xが会社の解散を請求した場合には、X以外の少数派社員が全員退社したため、Xが退社しさえすれば社員間の対立が解消されるとしても、会社の資産状況等からみて退社により取得すべき持分払戻請求権の実現に多大の困難を伴い長年月を要すると認められ、しかも、Xには右の状態に至ったことにつき帰責事由がないなど判示の事情があるときは、Xの退社は右の状態を打開する公正かつ相当な手段であるとはいえない。
【参照条文】 商法112-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集40巻2号229頁